投資マンション基礎知識
ワンルームマンション投資の変化と今後の対策
ワンルームマンションを使った投資とは、どういったものであるのか、ということも簡単に紹介しておきましょう。
実は、現在当たり前とされている、賃貸することが前提の投資スタイルの歴史は、それほど長くありません。
バブル期のワンルームマンションとは
昭和 60 年から平成3年くらいまでの、いわゆる「バブル時代」の日本経済において、不動産や株などの価格は大きく高騰しました。
個人も企業も、本業以外の投機的な投資を行い儲ける「財テク」が流行しました。不動産は、ワンルームマンションに限らず、所有していればどんどん値上がりしていました。
そのため、売ることは損だと思う向きも多かったと聞きます。そうしてバブル崩壊まで持ち続けてしまい、大損してしまった投資家がたくさん出たわけです。1日で数百万円値上がりすることもあったそうで、いまでは考えられませんが、都内の16㎡のワンルームが1億円以上で売れた事例もあります。
当時の一般的なワンルームマンションは、約 14 ~ 16平方メートルの広さで、3点式ユニットバスとキッチンが設置されていました。家具などの荷物を入れると、居住スペースは4畳程度の部屋もありました。
一言、住みにくそうな部屋ですが、オーナーは自分が住むわけではないのです。入居者がいなくて長期空室になっていても、いずれ売却して、濡れ手に粟の利益を得られる予定です。
そのため、賃貸の人気が出ない安い物件でもよかったのです。また、当時はトイレが共同のアパートなども多く、設備を充実させなくてもし競争力が維持できました。
デベロッパーも入居者がつくかどうかは二の次で、売り切れればOKなのです。そのため、床や壁材も薄く、設備の質も低い物件も大量に分譲されました。そのような物件の、景気のプレミアムを差し引いた価値は、もちろん非常に低くなります。
バブル崩壊によって、投機目的のワンルームマンション投資は破綻を迎えました。
ワンルームマンションの変化
この失敗を踏まえて、平成 10 年ごろより、家賃収入を得ることを目的(売却するにせよ、それまでの間は入居者をしっかりつけようとする)とする、現在のようなワンルームマンションの投資スタイルが増えてきました。
近年のワンルームマンション投資は、家賃を確実に得ることで、ローンの返済を進めることが大前提なので、住居スペースは広く(20 ~ 40平方メートル)、付帯の設備や建材の質、立地などがバブル期に比べて大幅に改善されています。
最近では、ファミリータイプと同じくらい豪華で、設備が充実しているワンルームマンションも分譲されています。物件が供給過剰になりつつあるので、付加価値をつけないと競争力がなく、目的である家賃収入が得られなくなってしまうのです。
物件検索サイトには、常に多数の空室情報があり、借り手市場です。この流れは人口減少に伴って、さらに加速していくと予想されます。
今後のワンルームマンション投資について
今後は人口が減っていきますが、都市部では世帯数が増えるので賃貸需要は底堅いと予想できます。高齢化と晩婚化によって、独身者が増加するので、世帯数は2035年ごろまで増加すると予想されています。
都市部の独身者、ディンクス、高齢者は、資金手金余裕のある方が多く、物件の選別は厳しくなると予想されます。バブル期に分譲された16㎡のマンションなどは、狭く、設備が劣るので空室率の上昇が予想されます。逆に築浅で30~50㎡のマンションは、十分な広さがあり、設備も充実しているので家賃が上昇しています。ワンルームマンション投資も2極化が進んでいきまます。
マンションオーナーは、物件の選定をしっかり行い、買い替えや処分のタイミングをしっかり計画をされることをお勧めします。
あなたのマンション・アパートの価格が分かる