投資マンションローン
住宅ローンを使って投資用ワンルームマンションの購入はできるのか
投資用のワンルームマンションなどの投資を行うために借り入れられるのが不動産投資ローンで、一般的に住宅を購入する際に利用される住宅ローンとは異なります。
では、住宅ローンを使って投資用のワンルームマンションを購入することはできるのでしょうか。
目次
住宅ローンを使ってワンルームマンション投資はできない?
住宅ローンを利用してワンルームマンションに投資することはできません。住宅ローンは居住用の物件を購入するための特別なローンで、住宅の購入を促進する目的で金利や審査基準などが、投資ローンと比較して緩く設定されているためです。
このため、失敗する可能性がある投資用物件に住宅ローンの条件で融資するのは、金融機関にとってリスクが高く、認められていません。
ちなみに、そもそもワンルームマンションは投資用物件ではなく居住用物件として購入する場合でも、住宅ローンの審査基準を満たしておらず、利用できない可能性が高いです。
住宅ローンは35㎡以上と決まっていることが多い
居住用ワンルームマンションを住宅ローンを使って購入することはできないでしょう。
多くのワンルームマンションは、住宅ローンの融資条件に専有面積を設定しているためです。
では、住宅ローンの専有面積の条件とは、どのような条件なのでしょうか。
多くの住宅ローンでは、マンションの専有面積が35㎡以上ないと利用できないと定められています。
比較的寛容なフラット35の場合でも、マンションの専有面積は30㎡以上が条件です。
その点、ワンルームマンションは専有面積が15〜25㎡のものが多く、30㎡を超える場合は「1DK」以上の間取りである可能性が高いため、利用できない可能性が高いと言えます。
投資用物件で住宅ローンが使えるケース
住宅ローンは投資用物件で利用することはできません。しかし、例外として以下の条件などを満たした賃貸併用物件(自宅と賃貸住宅が同じ建物にある物件)である場合は、住宅ローンが利用できます。
その条件とは、「賃貸併用物件で自宅部分の床面積が建物の総面積50%以上」です。この条件に加えて金融機関ごとの融資条件を満たすことで、住宅ローンが利用できます。
例えば、みずほ銀行の場合は、以下の条件を満たして住宅ローン審査に通ると、投資用物件であっても住宅ローンの利用が可能です。
- 貸併用住宅のうち、総床面積に占める自己居住用部分の床面積の割合が50%以上
- 提携するハウスメーカーで賃貸併用住宅を購入する人
- 提携するハウスメーカーのグループ会社でサブリース(30年一括借上)をご利用される人
出典:みずほ銀行
このため、どうしても住宅ローンを利用して不動産投資をしたいならば、賃貸併用物件を検討してみてはどうでしょうか。
不動産会社の営業が投資物件で住宅ローンの利用を勧めてくる
住宅ローンで投資用物件を購入することは、原則不正利用に該当します。しかし、住宅ローンで投資用物件を購入したという事例は後を絶ちません。
例えば、2018年に住宅ローンの「フラット35」を投資用物件に利用していた、不正は113件に上ります。
このように後を絶たない最大の理由は、悪徳な不動産会社から住宅ローンを活用して、投資用物件の購入を勧められるためです。
先程の事例の中でも、不動産会社から住宅ローンの使用を勧められ、住宅ローンの利用が契約違反になると知らずに契約した事例は少なくありませんでした。
こういった悪質な事例からご自身を守るためには、住宅ローンについての知識をつけて、信頼できる不動産会社に依頼することが重要です。
住宅ローンを使って不動産投資をするとどうなる
悪質な不動産会社に騙されるなどして、投資用物件に住宅ローンを利用してしまい、後々不正利用だと発覚するケースがあります。
実際、金融機関に不正が発覚したことで、自己破産にまで追い込まれた人も存在します。
そのため、ここでは、住宅ローンを使って不動産投資をすることで発生する問題などについて解説します。
金融機関に不正が発覚するとどうなる
金融機関に不動産投資で住宅ローンを利用した不正が発覚すると、契約違反に該当するため、借入残高に関係なく一括返済を求められます。
とはいえ、一括返済をしようにも投資用物件は高額であるため、多くの場合は返済できません。
そのため、物件は競売にかけられてしまいます。
しかし、それで終わりではありません。競売に掛けても住宅ローンを返済できない場合は、借金だけが残ってしまうのです。
そうなると、「自己破産」しか手段が残っていないケースもあります。
このような最悪の事態を防ぐためにも、そもそも投資用物件に住宅ローンを利用しないことが重要です。
仮に、利用後に不正利用だと知った場合は、一括返済するための資金を用意する必要があります。
なお、金融機関に住宅ローンの不正利用が発覚するケースは、以下の3つのシチュエーションが多いです。
- 金融機関から送付された郵便物が自分に届かず返送された
- 金融機関の担当者が訪問してくる
- 管理を依頼している不動産会社が調査される
上記の中でも特に郵便物で発覚するケースはよくあります。金融機関は契約者が住んでいる住所に郵送をしたのに、契約者が住んでおらず宛先不明で返送されるためです。
不正利用は時間が経てば必ずバレるため、絶対にしないようにしてください。
後ろめたさを感じたままでは成功しない
住宅ローンの不正利用をしてしまった人の中には、金融機関にバレなければ問題ないと思っている人もいます。しかし、そう考えて不正利用を放置することは非常にリスキーです。
そもそも金融機関にバレる可能性が高いうえに、いつ発覚するだろうと後ろめたい気持ちを持ったままでは不動産投資に成功することは難しいでしょう。
不動産投資で成功するためには、物件を売却するタイミングや修繕を行うタイミングなど、さまざまな選択に対して冷静な判断を行う必要があります。金融機関の力を借りる必要もでてくるため、後ろめたい気持ちを持ったままでは正確な判断ができません。
そのため、住宅ローンの不正利用に気づいたら、放置せずに一括返済のための資金を用意するなどの対応をするようにしましょう。
不正利用に気づいた場合は借り換えを検討する
住宅ローンの不正利用に気づいた場合は、住宅ローンから別の金融機関の投資用のローンに借り換えをすることで、不正利用の問題を解決できる可能性はあります。
ただし、借り換えをする金融機関は住宅ローンの不正利用を行っていることがわかるため、借り換えに応じてくれる可能性は低いと言わざるを得ないでしょう。
さらに、仮に投資用ローンに借り換えができたとしても、投資用ローンは住宅ローンに比べ金利が高くなり月々の返済額も高くなるため、当初の投資計画を大きく見直す必要があります。
最悪のケースでは、毎月持ち出しが発生してしまう(赤字になる)事態も考えられます。
このため、借り換えは不動産投資を続けながら住宅ローンの不正利用の問題を解決できる可能性がある方法ではありますが、おすすめできません。
取り返しが付かなくなる前に不動産を売却する
住宅ローンを不正利用してしまった際の解決方法として最もおすすめなのが、不動産を売却することです。
不動産を売却することで、売却金で住宅ローンを返済できる可能性がありますし、仮に売却金で完済できなくても、一括返済よりは少ない自己資金を持ち出すことで完済できます。
ただし、不動産売却は時間がかかるデメリットもあるため、注意が必要です。早く売却するためには、不動産会社選びが重要になります。
そのため、ここでは、すぐに売却できる不動産会社の選び方について解説します。
経験豊富で対応の早い不動産会社を選ぼう
住宅ローンの不正利用で不動産を売却する場合は、経験豊富で対応の早い不動産会社を選ぶことが重要になります。金融機関に不正利用が発覚すると一括返済を求められるためです。
では、どうやって経験豊富で対応の早い不動産会社を選べばいいのでしょうか。それはホームページで実績や資本金などを確認することです。
信頼性が高く経験豊富な会社は、過去に住宅ローンの不正利用の事例の取り扱い経験がある可能性があります。
仮に経験があれば、すぐに売却活動をしてくれるため、短期間で売却できる可能性が高いです。
一方で、経験豊富ではない不動産会社の場合は売却に時間が掛かり、金融機関に発覚するリスクが高くなります。
このため、経験豊富で対応の早い不動産会社に売却を依頼するようにしてください。
あなたのマンション・アパートの価格が分かる