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不動産投資ローンの金利相場の目安|低金利で借りる5つの方法

不動産投資を行うには、不動産投資ローンという金融機関からの融資を利用するのが一般的です。

しかし、不動産投資ローンの金利や借入条件などについて「よくわからない」という方も多いかもしれません。そこで今回は、不動産投資ローンの金利や借入時の注意点などについて解説します。
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不動産投資ローンと住宅ローンは何が違う?

不動産投資ローンと同じように、不動産を購入するためのローンが住宅ローンです。しかし、不動産投資ローンと住宅ローンは、次の点で大きく異なるローンです。

不動産投資ローンと住宅ローンの違い

不動産投資ローン 住宅ローン
購入できる物件 投資物件 居住する住宅
利用者 法人・個人 個人
借入限度額 購入物件の価格(審査によって決定) 返済負担率の範囲内かつ不動産の担保評価額の範囲内

住宅ローンは「ローンの利用者が居住する物件を購入する資金」だけを融資するローンです。そのため、住宅ローンで投資用不動産を購入することはできません。そして、利用できるのは個人だけです。

借入限度額は、不動産投資ローンだと物件の収益性や担保評価額を判断して総合的に判断されます。そのため、数億円以上のお金を借りることも可能です。

住宅ローンの借入限度額は、返済負担率の範囲内です。住宅ローンは金融機関によって基準は異なりますが、たとえば「年間返済額は、年収の30%程度に抑えなければならない」といった決まりがあります。そのため、この決まりの場合は、年収が500万円の人であれば、年間150万円の返済額(35年返済の場合は単純計算で5,250万円)までしか借りられません。

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不動産投資ローンの金利相場の目安

不動産投資ローンを選ぶときは、金利に注目しましょう。利息負担は費用になるため、金利負担が大きいと、実質利回りが下がってしまうためです。たとえば利回りが5%の物件であっても、ローンの金利が3%であれば、実質利回りは2%になってしまいます。

高利回りで投資するためにも、金融機関の不動産投資ローンの金利相場を把握しておきましょう。

メガバンク・都市銀行の金利相場

メガバンク・都市銀行の金利相場は、変動金利で1〜2%台です(2023年現在の目安)。

メガバンクは資金が豊富です。預金を集める努力をしなくても、公金、年金、給与振込等の入金があるため、資金調達にかかるコストを抑えられるのです。そのため、ほかの金融機関よりも低金利で融資できます。

ただしそれだけ審査は厳しく、不動産投資ローンの場合は、高所得の給与所得者でなければ審査に通過するのは難しいでしょう。

地方銀行の金利相場の金利相場

地方銀行の金利は、変動金利で2〜3%程度が一般的です(2023年現在の目安)。

地方銀行もメガバンクほどではなくても、資金調達のコストが低くなっています。それだけ金利に転嫁でき、メガバンクと同程度か、少し高いくらいの金利で借入が可能です。

ただし、不動産投資ローンの取り扱いは銀行によって異なり、融資に積極的な銀行があれば消極的な銀行もあります。銀行によって対応が大きく異なります。

審査難易度はメガバンクより低く、地方の会社員でも審査に通過できる可能性があります。

信用金庫・信用組合の金利相場

信用金庫や信用組合の不動産投資ローンの金利も、地方銀行と同程度です(2023年現在の目安)。

信用金庫は定期預金などの高コストな方法で資金調達をしています。しかし、ある程度金利を低くしなければ銀行などの競合に勝てないため、地方銀行と同じくらいの金利で不動産投資ローンの融資をしています。

審査難易度も地方銀行と同程度で、一般的な給与所得者でも審査に通過できる可能性があります。

ノンバンクの金利相場

SBIやセゾンなどのノンバンクの金融機関も、不動産投資ローンを取り扱っています。

ノンバンクの金利相場は3〜5%程度と、銀行や信用金庫と比較して高めです。金利は高いのですが審査難易度はもっとも低く、銀行や信用金庫から融資を断られた人でも審査に通過できる可能性があります。

プロは現在の金利をどう見る?

伊藤幸弘(株)TOCHU
代表取締役
伊藤幸弘

ご存知のとおり今は金利が低いです。これまでの日本経済を考えても、投資用のローンであれば、恐らく3%ぐらいが妥当な金利だと思います。つまり、2024年時点投資ローンの金利は1%ぐらいなので、あと2%上がっても大丈夫なような物件を選んで投資をするべきだと思います。今後1~2%金利が上がる可能性っていうのは十分あり得ると考えておきましょう。

ここ10年上低金利が続いていますが、これからも続くかどうかはわかりません。安い金利のときに物件を買ったということは、金利が上がることも想定しておかなくてはなりません。

つまり、金利が上がる前に売るのか、金利が上がっても持てるように余剰資金を用意しておく、といった判断が必要です。生涯物件を持っていたい人は、繰り上げ返済ができるようにしておく、キャッシュフローをプラスに回すように余剰資金を持っておくことが大切です。

 

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不動産投資ローンの金利負担を軽減する方法

不動産投資ローンの金利は、次のような方法で引き下げることが可能です。

  • 自己資金を多く用意する
  • 担保価値の高い物件へ投資する
  • 利回りの高い物件へ投資する
  • 銀行へ多くの預金を預ける
  • 金融機関を競合させる

不動産投資ローンの金利を安くする、5つの方法について詳しく解説します。

自己資金を多く用意する

自己資金をできる限り多く用意しましょう。

自己資金を多く用意すれば、借入額が小さくなるので銀行のリスクが低くなります。低いリスクに対しては低金利を適用できるので、自己資金が多い場合には不動産投資ローンの金利も低くなる可能性があります。

担保価値の高い物件へ投資する

できる限り担保価値の高い物件へ投資をしましょう。好立地の物件や築浅物件は、金融機関の担保評価額が高くなります。

万が一不動産投資ローンが返済不能になったとしても、担保価値の高い物件に対するローンは競売の売却代金で返済できる可能性が高いため、金利も低くなる可能性があります。

利回りの高い物件へ投資する

利回りの高い物件への投資資金は、低金利で借りられる可能性があります。利回りが高いということは、投資額に対する家賃収入が大きいということなので、ローンも返済しやすくなります。

金融機関にとっては、回収できる可能性が高いため、低金利が適用されやすいでしょう。

銀行へ多くの預金を預ける

不動産投資ローンを利用しようとしている銀行へ預金を多く預けることで、借入金利が下がる可能性があります。

万が一ローンの返済が滞ったとしても、金融機関は預金とローンを相殺することで、ローンを容易に回収できるためです。

ほかの金融機関に預金がある場合は、不動産投資ローンを利用する金融機関へ預金を集中させると金利が下がることがあるでしょう。

金融機関を競合させる

複数の金融機関を競合させると、不動産投資ローンの金利が下がることがあります。

ひとつの銀行で提示された金利をほかの銀行へ提示すると「うちはそれより低い金利で貸すので、うちから借りてください」と、より好条件が提示されることは珍しくありません。

どの金融機関で借りたらよいかわからないときは、複数の金融機関へ相談し、競合させるとよいでしょう。

金利が上がることで、物件売却にも影響する

伊藤幸弘(株)TOCHU
代表取締役
伊藤幸弘

不動産投資においても、この10年以上続く低金利の影響というのは大きかったですね。一番は金利が低かったからこそ、不動産の価格が高かったということです。

投資ローンの金利が上がれば売りにくくなる、といったことは起こり得るでしょう。買う人が金利が高い場合、利回りを高くしないと魅力的な物件にならないので、高く売れないという現象が起きるわけです。

売主としては、期待通りに売れないという現象が起きる。「金利が上がったら不動産価格下がるよな」→「買主は月々の返済は変わらないけど、結局ローン負担は増える」→「そうすると高く売りたくても売れない」そうなると、物件を持ち続けるしかないので、収支を改善できるような準備をしておくことが重要ですね。

不動産会社や投資家たちは、「金利が上がったらどうなる?」ということを考えないようにしちゃってる部分がありますね。向き合わないとダメだと思います。

 

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不動産投資ローンの借入で注意すること

不動産投資ローンを借りるときは、次の点に注意しましょう。

  • 利息だけでなく元金返済に注意する
  • 空室時の返済計画を立てる
  • 変動金利のリスクも考慮する

利息だけでなく元金返済に注意する

不動産投資ローンで注目されるのは、利回りに直接影響する金利と利息です。しかし、もっとも重要な点は「元金返済ができるかどうか」という点です。

いくら低金利でお金を借りても、元金を返済できなければ意味がありません。金融機関と不動産投資ローンの返済計画を立てるときは、「家賃収入から元金と利息を支払っていけるか」をしっかり考慮しましょう。

空室時の返済計画を立てる

不動産投資ローンでは、「投資物件が空室になり、家賃収入が入って来なかった場合に返済していけるか」という点についても考慮しなければなりません。

不動産投資において空室リスクはつきものです。そのため、最悪のケースでも給料やほかの収入から返済していける返済計画を立てましょう。

変動金利のリスクも考慮する

変動金利で不動産投資ローンを借りる場合は、変動金利のリスクも考慮しましょう。

日本では長らくゼロ金利政策、マイナス金利政策が続いてきたため、ローンに低金利が適用されることが当たり前のようになっています。しかし、2022年からアメリカが利上げをしたことによって「日本国内の金利も上昇するのでは」と懸念されています。

1億円を期間30年で借りた場合、金利1%であれば完済までの利息負担は約1,500万円です。しかし、金利が2%へ上昇すると、完済までの利息負担は約3,300万円へと大きく上昇します。

借入金額が大きい不動産投資ローンは、金利が1%上昇するだけで利息負担が膨大になるのです。不動産投資ローンを借りる場合は、金利上昇リスクも考慮したうえで変動金利か固定金利を選択してください。

不動産投資ローンで不安があったり、疑問に思ったりすることがあれば、不動産投資に精通している不動産会社に相談してみましょう。

金利上昇で不動産投資市場が健全化するという見方も

伊藤幸弘(株)TOCHU
代表取締役
伊藤幸弘

金利が上がることで、不動産投資業界の健全化が進む一面もあると考えています。低金利だからという理由だけで不動産投資を始めて、手痛い失敗を経験する人は未だに後を絶ちません。「ローンが組めれば買うよ」といったスタンスでは金利関係なく必ず失敗します。物件やものの良し悪しを吟味してきちんと判断するべきです。

金利が上がることで、適正な利回りじゃないと取引ができなくなるというのは、投資の正しい在り方だと思います。金利1%で投資のローンが組めるという今が異常なんです。

どういう状況が起きても、金利が上がろうが下がろうが、収支がプラスになるように投資を行うことが重要です。「金利が安いから、かろうじてプラスだ」みたいな買い方をしてる人は、どこかで成り立たなくなるでしょう。金利に左右されない正しい投資を行うことが大切です。

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コラム監修

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伊藤幸弘

資格

宅地建物取引主任者・賃貸不動産経営管理士・FP技能士・公認 不動産コンサルティングマスター・投資不動産取引士・競売不動産取扱主任者・日本不動産仲裁機構ADR調停人

書籍

『投資ワンルームマンションをはじめて売却する方に必ず読んでほしい成功法則』


『マンション投資IQアップの法則 ~なんとなく投資用マンションを所有している君へ~』

プロフィール

2002年から中古投資マンションを専門に取引を行う。
2014年より株式会社TOCHU(とうちゅう)を設立し現在にいたる。

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