不動産投資
不動産投資の失敗率はどれくらい?うまくいかない人の特徴と考え方
投資には必ずリスクがあります。不動産投資にも当然、リスクがあるのですが、それはどれくらいのリスクなのでしょうか。どれくらいの人が失敗し、そして成功しているのでしょうか。
これから不動産投資をはじめる人へ向けて、失敗してしまう人の特徴と考え方について解説します。失敗の傾向を把握すれば、それだけ成功へと近づけます。まずは、失敗しないための知識を蓄えましょう。
目次
不動産投資の失敗率はどれくらい?
不動産投資の失敗率といっても、正式な統計があるわけではありません。投資家によって「成功の定義」が違うため、成功率や失敗率を数値化するのが難しいのです。
それでもあえて、わかりやすく数値にすると「100人挑戦しても10人しか成功しない」ほど難しいのが不動産投資といえます。実際に成功している人は数えるほどです。
せっかく不動産投資をはじめても、約90%の人が失敗するのが不動産投資です。誰もが簡単に成功する投資術ではないといえるでしょう。
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不動産投資における失敗と成功の考え方
不動産投資における「成功」を判断するのは簡単ではありません。なぜなら、投資家によって、それぞれの「ゴール」や「目的」が違うためです。
たとえば、会社に勤めながら不動産投資を副業として行っている人でもさまざまな目的があります。
- いまの給料に5万円の副収入があれば満足
- 老後のために30万円の副収入を目指して不動産投資物件を増やす
- いずれは不動産投資のみで生活をしていきたい など
それぞれ自分自身の目的が達成できれば成功といえるでしょう。
一方で、不動産投資における「失敗」は次のような状態といえます。
- 毎月のキャッシュがマイナス※になり、自分の貯金や給料から補てんする必要がある
- 売却しようとしてもなかなか売れず、固定費や税金などを払い続ける
- 知識がないため悪徳不動産会社にいわれるがまま行動してしまう
※家賃収入よりも返済額が多くなるなど
自分自身の目的を達成できず、お金がマイナスになっていく状況が「失敗している状況」といえるでしょう。
こんな人は不動産投資で失敗する!
不動産投資で失敗する人の特徴には、次のような共通点が多く見られます。
- 不動産投資の勉強をしていない
- 計画をまったく立てていない
- 物件購入をあせっている
- 不動産会社に任せきり
失敗する人の特徴を理解して、失敗のリスクを減らしましょう。
関連記事:ワンルームマンション投資は失敗して危険?赤字になるのは本当!?
不動産投資の勉強をしていない
不動産の知識を学んだり、デメリットを知ったりすることで、リスクを回避できて成功しやすいのが不動産投資です。再現性が高い投資のため、勉強すれば誰でもチャレンジできます。
しかし、まったく勉強せずにはじめると、大きな損をして後悔することになるかもしれません。不動産投資のことをしっかり学んでから、はじめるようにしましょう。
計画をまったく立てていない
不動産投資を成功させるには、5年後や10年後の収支予測が大切です。
たとえば、新築や築浅の物件を購入したばかりのときは満室で安定しているかもしれませんが、10年後は空室が目立つ物件になっています。さらに、建物外壁や室内設備の劣化などによる修繕費用も必要になる時期です。
必要になる経費を把握しておらず、計画を立てていなければ、大きな赤字につながりかねません。
物件購入をあせっている
「早くひとつ目の物件がほしい!」という気持ちとは反対に、理想の投資物件がなかなか見つからないため、物件の条件を妥協して購入する人もいます。
あせってしまうとリサーチが適当になり、正確な事業計画を立てにくくなります。その結果、購入後に意外な修繕費がかかったり、空室率が高いエリアだったり、入居づけが難しくなったりするのです。あせって物件を手に入れても、後悔することになれば意味がありません。
不動産会社に任せきり
不動産投資に成功するには、信頼できる不動産会社との連携が必要です。しかし、なにもかも不動産業者任せにしてしまうと失敗します。
「プロである不動産会社がすすめる物件だから問題ないだろう」と思って購入した物件でも、家賃設定が異常に高すぎて入居づけに苦労したり、物件を購入したとたん入居者が退去したりするおそれもあります。
不動産投資物件を購入する際には、不動産業者に任せっぱなしにするのはやめましょう。
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不動産投資の失敗率を下げるためにやること
不動産投資で失敗しないためには、できるだけリスクをとらず、しっかりと準備をすることが大切です。ここでは不動産投資の「失敗」を避けるためにできる3つのポイントを解説します。しっかりと心得ておきましょう。
- リスクが小さい不動産投資からはじめる
- 融資の借入額を少なくする
- 現金を確保しておく
リスクが小さい不動産投資からはじめる
不動産投資の失敗率を下げるために、小さな物件の不動産投資からはじめましょう。たとえば、区分マンションや小規模のアパートに投資をすることで、初期費用を抑えることが可能です。
できるだけ手元にある現金をとっておけば、急な建物の修繕費用に対応できたり、2棟目を購入する頭金にしたり、不動産投資用のお金として十分な活用ができます。
一方で、たくさんの頭金を払って大きな金額の物件を購入してしまうと、失敗したとき手元に現金が残っておらず、不動産投資をするうえで不利な状況になってしまいます。
不動産投資をこれからはじめる方は、できるだけ小さな物件からはじめてリスクを抑えましょう。
融資の借入額を少なくする
金融機関から融資を受けて不動産投資をはじめる方も多いでしょう。ひとつ注意したいのは、融資額が多すぎて、返済比率(※)が大きくなってしまうと、空室が多くなったときに家賃収入よりも返済額が大きくなってしまうことです。
※返済比率…年間家賃収入に占めるローンの年間返済額の割合。
6戸アパート・家賃月額30万円・融資返済月額18万円の物件の場合(経費を含まず)
満室時(円) | 3室空室の場合(円) | |
---|---|---|
101号 | 5万 | 空 |
102号 | 5万 | 5万 |
103号 | 5万 | 空 |
201号 | 5万 | 5万 |
202号 | 5万 | 空 |
203号 | 5万 | 5万 |
合計家賃 | 30万 | 15万 |
【満室の場合】 30万円-18万円= 手残り 18万円
【3室空室の場合】15万円-18万円= 手残り▲3万円
上記の物件の場合、3室空室になれば自身の給与や自己資金から返済にあてなくてはいけません。不動産投資の失敗率を下げるために、できるだけ借入額は少額にしましょう。
現金を確保しておく
できるだけ多くの現金を確保しておくことが大切です。空室が増えて自己資金のなかからお金を充当するケースもあります。それだけでなく、建物の修繕費用や空室が出たときの部屋の原状回復費用などで、急な出費が必要になるのが不動産投資です。
手元に現金がまったくなければ、急な出費に対応できなくなります。1年分の家賃収入分くらいの現金を確保してから不動産投資をはじめましょう。
不動産投資の成功率を上げるためにできること
不動産投資を成功させるためには、間違った情報を受け入れず、信頼できるプロと連携していくことが必須です。ここで解説する3つのことを理解すれば、不動産投資の成功率が上がります。ぜひ実践してください。
- 情報をたくさん集めて綿密な計画を立てる
- 物件に対して妥協をしない
- 投資スタイルに合うプロを見つける
情報をたくさん集めて綿密な計画を立てる
不動産投資をはじめるときに、さまざまな不動産会社やアパート建築会社などから物件情報をもらえます。その情報をもとに「この物件を購入しても大丈夫か」「購入することでリスクはあるか」ということを読み解くようにしましょう。
たとえば、物件の情報から次のようなリスクや背景が考えられます。
家賃設定が高い | 入居づけが困難で空き室の期間が長くなる |
入居者の契約期間が短い | 騒音問題が多いなどの原因で退去する人が多い |
法人契約の入居者が多い | 法人が移転や倒産すると一気に退去者が増える |
物件に対して妥協をしない
100%理想の物件を見つけるのは難しいかもしれません。しかし、妥協をして物件を購入すると後悔することになります。「これは外せない!」という条件を柱にして物件を探すことをおすすめします。
立地条件を柱にして物件の購入を判断する場合は、次のような考え方ができます。
立地◎ 利回り× 物件価格△ |
利回りが低く、物件価格も高いが、立地がよいため購入を検討 |
立地△
利回り○ 物件価格○ |
利回りと物件価格も希望どおりだが立地がよくないため購入を断念 |
投資スタイルに合うプロを見つける
不動産投資を成功させるには、信頼できるパートナーが必要です。たとえば、新築アパート投資を検討している場合は、新築アパートの不動産投資に詳しい不動産会社に依頼しましょう。区分マンションの投資を検討している場合は、マンション投資に詳しい不動産会社を選ぶなど、投資スタイルに合わせてパートナーを選ぶことが成功への近道です。
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