投資マンション失敗
投資マンション被害の事例を紹介|相談先や対処法も詳しく解説
マンション投資は、ワンルームから経営ができるため、不動産投資の中でも比較的気軽に始められる投資として人気があります。
一方で、リスクを十分に理解していない人が、悪質な不動産会社の詐欺にあって契約をし、失敗するケースも多々あります。そういった投資マンション被害は、特に若者を中心に広がっています。
目次
投資マンション被害の現状
投資マンション被害については、定期的にニュースでも話題になっています。
代表的なものに、スマートデイズ社による「かぼちゃの馬車事件」があります。オーナーが市場価格よりはるかに高い建築費用を支払ったものの家賃保証が十分に行われず、多くのオーナーが自己破産に追い込まれました。この事件は、スルガ銀行による不正融資も相まって被害が拡大し、金融機関が責任を問われたことでも有名です。
また、独立行政法人 国民生活センター「20歳代に増える投資用マンションの強引な勧誘に注意!-マンションへの投資にはリスクがあり、必ず儲かるわけではありません-」によると、投資マンションに関する相談件数が毎年1,000件を超えています。執拗(しつよう)な勧誘により投資マンションを購入させられるケースはあとを絶ちません。
これらに共通するのは「必ず儲かる」という虚偽の説明を受けている点です。不動産だけに留まらず、投資に必ずは存在しません。儲かることはありますが、損をすることもあります。
そのため、トラブルから身を守るためにも、リスクを含めた詳細な説明が不十分な不動産会社とは契約をしないようにしましょう。
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よくある投資マンション被害の事例
投資マンション被害といえば「必ず儲かる」「家賃を保証する」「年間利回り○%保証」といった、うたい文句につられて契約することが一般的でした。しかし最近は、絵画や宝石の販売で多く見られる、恋愛感情を利用したデート商法の手口も多いようです。
具体的な投資マンション被害の事例を紹介します。
強引な勧誘
投資マンション被害の代表格が、強引な勧誘による契約です。
アンケートなどにより、被害者の個人情報を手に入れた不動産営業の担当者が、法律に違反して時間を問わず営業するのが特徴で、悪質な場合は契約をするまで帰らないなどの事例もあります。
最近では、マッチングアプリを利用して、言葉巧みに個人情報を聞き出したり、あたかも恋愛対象のように振る舞って購入を促したりするケースもあるようです。
また、TwitterなどのSNSで「ギフト券1万円分を配ります!」などのプレゼント企画を行って個人情報を収集するなど、過去の事例と比較して敷居の低い方法でターゲットを選定する傾向が見受けられます。
説明不備や錯誤
投資マンションを販売する不動産会社は、購入者に対して正確かつ錯誤(誤った理解をすること)が発生しないように務めなければなりません。
しかし、悪質な不動産会社は「永久的に家賃が保証される」「毎年、利回りが○%以上である」など、購入者にとってのメリットだけを伝え、あたかも契約しなければ損かのような説明をします。
錯誤による契約は取り消しの対象ですが、その証明は簡単ではなく、泣き寝入りする原因ともなります。
詐欺行為
意図的な錯誤を狙った営業行為より悪質なのが、詐欺行為です。
よくある詐欺のひとつに、入居率の水増しがあります。
入居率100%のアパートだから、購入後すぐに多くの家賃収入が得られると説明を行っておきながら、実際には入居者はサクラで、契約が成立した瞬間から次々と退去させる古典的な詐欺行為です。入居率が0%になるため家賃収入が一切なくなり、オーナーはローンの支払いに苦しみます。
ほかにも、同じマンションを複数の人に購入させる二重譲渡や、手付金を支払ったあとに連絡がつかなくなるなどの詐欺も発生しています。
また、本来居住用の物件にしか使えない住宅ローンを、投資目的の物件購入のために借り入れることを進めるケースなど、様々な手口が横行しているため、物件選びに加えて不動産会社選びも慎重にならなくてはなりません。
投資マンション被害の対処法
詐欺などの投資マンション被害にあってしまった場合は、速やかにクーリング・オフや少額訴訟に向けた手続きを行いましょう。
金額によっては個人だけでの対応が難しく、民事訴訟なども検討する必要があります。弁護士や専門機関に相談を行い、できる限り被害の拡大を抑えることが重要です。
法テラスに相談する
日本司法支援センター「法テラス」は、法律案内所の役割を果たす公的な機関で、日本全国を対象に法制度に関する情報と相談機関・団体などを紹介してくれます。
現在の法律に関する説明を受けられたり、投資マンション被害の相談先や裁判の手続き方法、または弁護士の紹介を受けたりできます。
原則、無料で利用できるため、投資マンション被害にあった場合は速やかに相談するとよいでしょう。
しかし、個別案件の対応に関しては期待できないため、解決ではなく対処の方向性を確認するために利用しましょう。
一方、増加傾向にあるワンルームのマンション投資トラブルについても相談件数が多く、多種多様な事例を取り扱っているため、被害者の立場としては頼りになる機関です。
弁護士に相談する
弁護士は法律の専門家です。相談するには弁護士費用が必要ですが、詐欺行為の立証から法的処置、また相手側の資産を差し押さえることで被害額の回収の可能性が高くなります。
一番のメリットは、悪質な不動産会社との窓口の役割を果たしてもらえることです。直接対応する場合にかかる時間、精神的な苦痛やストレスを軽減できます。
弁護士への相談は解決に最も近い方法といえますが、弁護士費用がかかるため、被害総額と回収が可能な金額などを比較して決めましょう。
宅建協会や不動産協会に相談する
宅建協会の正式名称は「全国宅地建物取引業協会」といい、ハトのマークをシンボルにしています。一方、不動産協会はウサギのマークをシンボルにしており、「全日本不動産協会」が正式名称です。
どちらも機能としては同様で、一般的に不動産会社はどちらかの協会に加入しています。
どちらの機関も、不動産投資によるトラブル相談を受け付けており、悪質な不動産会社に対して解決に向けた働きかけを行ってくれます。また、上限があるものの、被害額の払い戻しを実施しているケースもあるのが大きな特徴です。
消費者センターなどに相談する
消費者センターは、解決に向けて専門の相談員が助言やあっせんを行ってくれます。法的な効力はないため、あくまでサポートの位置づけですが、当事者間の話し合いの場を設けるなど問題解決に向けた支援を行うのが特徴です。
また、集団訴訟に向けた準備期間に消費者センターへ相談するケースも多く、不動産会社に対して圧力をかけることも可能です。
泣き寝入りする人は多い⁉早めに物件を手放すことも視野に
投資マンション被害にあう人の大半は、副業として投資をしている人です。そのため、本業の合間に書類や手続きの準備を行って裁判所に出向くのは、体力的にも精神的にも負担が大きいでしょう。また、弁護士費用を支払って、長い期間、悪質な不動産会社ともめるのはつらいものです。
中には、費用と時間をかけても被害額を回収できずに泣き寝入りしてしまうケースも多々あります。
マンション投資では、どこかで物件を売却するタイミングが訪れます。いつかは売却することになるなら、損失が少ないうちに物件を手放すことで被害を抑える方法も選択肢のひとつとして検討しておきましょう。
法的処理は時間がかかる
錯誤または詐欺による契約成立は、取り消しが可能です。
注意すべきなのは、錯誤や詐欺を立証する必要があることです。また、「無効」ではなく「取り消し」は手続きを行い、返金を受ける必要があります。
簡単にいえば、どちらを主張する場合でも裁判をすることで成り立つため、どうしても時間が必要です。金銭が60万円以下であれば少額裁判という手段も存在しますが、投資マンション被害では数百万から数千万円の被害額になることも多く、民事裁判になります。
法的な処理は時間がかかること、そして100%の返金保証がないことを理解しておきましょう。
査定で現状を知る
手元に残っている物件をどうするかを考えるには、査定を行うのが最初の一歩です。
幸運にも想定より高く売れる可能性があれば、選択肢も広がるでしょう。
反対にオーバーローン(ローン残高が売却価格を上回っていること)の場合はリスクがあります。売却が難しいだけではなく、任意売却や意図しないローンの借り入れなど、負担が増える可能性を秘めています。
それでも、査定を行うことで投資マンションの資産価値を正しく把握し、よりよい選択肢を見つけることが、被害を最小限に抑えるコツです。
いますぐ信頼できる投資マンション専門会社へ相談
投資マンションを専門に取り扱う不動産会社であれば、投資マンションに特化したトラブルの対処方法や売買を得意としています。
被害にあったあとの対処法など、相談することで想定していなかった新しい方向性を示してくれるかもしれません。
悪質な不動産会社がいる一方で、顧客の気持ちに寄り添った優良な不動産会社も多くあります。まずは気軽に相談してみて、物件を売却するべきかといった具体的な対処法を検討しましょう。
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