投資マンション失敗
投資マンションにおけるトラブル事例|被害にあわないために必要なこと
インフレや低金利、老後不安などから、マンション投資を検討する方が増えています。
しかし一方で、一部の悪徳業者による詐欺などで、購入希望者を騙すケースが散見されるのも事実です。投資マンションにおけるトラブル事例やトラブル遭遇時の対応、トラブルにあわないための心がけについて、解説します。
目次
投資マンションにおけるトラブル事例
高所得者のみならず、一般の方にとっても魅力の多いマンション投資ですが、残念ながらトラブルもあります。実際にはどのようなトラブルが多いのか、よくある事例を5つ紹介します。
- 手付金詐欺
- 満室偽装
- デート商法
- 融資の不正
- サブリース詐欺
手付金詐取
物件購入の手付金を不動産会社に支払ったあと、不動産会社と連絡が取れなくなり、手付金も戻ってこなかったというトラブル事例があります。
このケースでは「優良物件でほかにも購入希望者がいるから、早くキープしたほうがよい」などと契約を急かされ、そして手付金の支払い後に、ローンの手続きをするために不動産会社へ連絡すると、電話が通じないばかりか事務所も架空の住所でした。
手付金を支払ったにもかかわらず、当事者は不動産の権利を手に入れられません。
満室偽装
実際は空き家が多い物件にもかかわらず、サクラの入居で満室を装った物件を購入してしまうケースがあります。
このケースでは、当事者が物件を購入した途端にサクラが退去し始めたため、はじめから賃貸経営の見通しが狂ってしまいました。このような場合に、もし買主にリカバリーの経済的余力がなければ、賃貸経営そのものが破綻してしまいます。
悪質な場合には、高利回りを謳って満室偽装物件を、相場よりも高値で販売する業者もいます。事前に入居状況をレントロールで確認するなどの対策が必要といえます。
デート商法
婚活サイトやパーティーなどで知り合った相手から、親密になったタイミングで投資用不動産を購入させられるトラブルもあります。
このケースでは、物件の購入後に相手と連絡が取れなくなって初めて、騙されたことに気付きます。しかし購入を勧められた際には「今の関係を壊したくない」との恋愛感情から、断れないようです。
こうした悪質な手口の中には、クーリングオフの期間を過ぎてから相手が姿を消す、あるいはクーリングオフできない状況で契約させられるケースもあります。近年は婚活サイトやマッチングアプリ経由でのデート商法が増えているため、注意が必要です。
融資の不正
ローン審査で知らずに与信情報の改ざんをされていたトラブルもあります。
このケースでは、悪徳業者の不正により預金残高を高く改ざんされた結果、本来通らないはずのローン審査に通り、物件を購入しています。
これは文書偽造の罪に問われる可能性があるほか、金融機関からは一括返済を求められる可能性も高いです。また、仮に運用を続けられても、もともと無理なローンで物件を購入しているため、少しの赤字で賃貸経営が破綻しやすくなります。
ローンの不正としてはほかにも、本来居住用の物件購入でしか使えない住宅ローンを、投資用に契約させられるトラブルもあります。住宅ローンは投資用のローンよりも金利が低いため、業者としては物件を購入させやすいのです。
物件を購入した当事者は、不正を知った金融機関から一括返済を求められ、結果的に資産の代わりに多額の借金ができてしまった方も多いです。
サブリース詐欺
サブリース契約で「家賃を永久保証」と謳われていたにもかかわらず、実際には家賃を2年ごとに減額されてしまう事例もあります。
サブリース契約とは、不動産会社が物件を一括借り上げし、空室の有無にかかわらずオーナーへ家賃を保証する契約のことです。このケースでは、サブリース契約で定められていたはずの賃料見直しについては、事前に説明が一切ないうえに、「減額に応じなければ契約を解除する」とサブリース会社から通達されることがあります。
サブリース契約そのものに違法性はありませんが、オーナーに不利な事実の説明が不足したり、一方的な解約や家賃減額が多かったりと、問題視されることも多いサービスです。
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トラブルにあってしまったときの対応
もしトラブルにあってしまったときには、どのような対策をとる必要があるのでしょうか。具体的な対策を紹介します。
- 弁護士に相談する
- 法テラスに相談する
- 国民生活センターに相談する
- 被害が大きくならないうちに売却する
弁護士に相談する
受けた被害が明らかに詐欺であれば、弁護士へ相談し法的に解決することが適切です。とくに損害賠償請求や返金請求を求めたい場合には有効です。
弁護士ならトラブルの相手と交渉してくれるうえ、裁判に発展したときの代理人を務めることもできます。弁護士事務所にはそれぞれ強い専門分野があるため、依頼する際には不動産投資被害の解決実績が豊富な弁護士を選ぶことをおすすめします。
法テラスに相談する
マンション投資のトラブルは、「法テラス(日本司法支援センター)」へ相談も有効です。
法テラスは国が設立した法的トラブル解決の総合案内所です。刑事・民事を問わず無料で相談が可能で、電話・メールで受付しています。
専門の相談窓口がわからない方、経済的に余裕のない方でも、無料で法律相談を受けられることがメリットです。相談の結果、必要であれば弁護士を紹介してもらうこともできます。
国民生活センターに相談する
「国民生活センター」や「消費者ホットライン」でも、不動産投資トラブルに関する相談を受け付けています。国民生活センターは国、消費者センターは地方公共団体が運営しています。
国民生活センターは、さまざまな消費者トラブルに対し、情報提供およびトラブル解決の手続きをサポートする機関で、こちらも相談は無料です。消費者ホットライン(電話番号「188」)の相談時間は平日の10時〜12時、13時〜16時で相談可能です。
被害が大きくならないうちに売却する
万が一マンション投資でトラブルにあってしまったら、被害が大きくならないうちに早く売却することをおすすめします。
不動産は長く所有するほど価値が下がる性質があります。まして現在収益が出ず赤字の物件なら、今後も価値が上がる見込みは薄いでしょう。そのためできるだけ早く売却し、損失を最小限に留めるほうが賢明です。
仮に売却時の残債が多く持ち出しが発生したとしても、赤字で運用を続けるよりはトータルで得になるケースも多いです。
投資マンションのトラブルにあわないために
これからマンション投資を始める方のために、トラブルにあわないために知っておくべきことや、必要な行動について解説します。
不動産投資の知識をつける
トラブル防止にもっとも効果的なのは、不動産投資に関する知識を身に付けることです。
専門の書籍やセミナーでは、不動産投資の基礎からノウハウまでを体系的に学べます。そのほか不動産会社のWebサイトや投資家ブログ、YouTubeの中には分かりやすく噛み砕いて解説しているものも多いため、初心者にはおすすめです。
法律事務所のホームページでも、トラブル事例や対策が多数紹介されているため、知っておけば注意点を押さえて契約に臨むことができるでしょう。
疑問な点はすべて聞く
マンション投資でトラブルにあわないためには、疑問点はすべて質問し、クリアにしてから契約することが大切です。
不動産投資は人生でもっとも高額な買い物のひとつです。どんな些細に思えることでも、不明なことや疑問に感じることは、納得のいくまで質問しましょう。少しでも迷いがあるうちは契約しないほうが賢明です。
できれば物件探しを始める前に、不動産について予備知識を付けておくと、聞くべきことも明確になるでしょう。
その場で決めず第三者にも相談する
マンション投資でトラブルにあわないためには、話を聞いたその場で契約せず、第三者にも相談することが重要です。
冷静な判断をするためには、第三者の客観的な意見も必要です。営業担当者によっては売りたい物件の紹介や購入のメリットだけを伝え、「すぐ契約しないと損をする」などと契約を急がせるケースもあります。
物件が魅力的に見えて冷静さを失い、内容を精査せず契約してしまわないよう、家族や知識のある第三者に一度相談してから購入を決めましょう。
物件の適正相場を把握する
マンション投資でトラブルにあわないためには、購入検討物件の適正な価格相場を把握することも必要です。
提示された物件価格や家賃が適切かどうかを判断するために、事前に物件サイトで近隣物件の価格相場を調査することをおすすめします。もし物件価格が相場価格よりも高い場合には、不動産会社に価格の根拠を尋ねましょう。
信頼できる不動産会社を選ぶ
マンション投資でトラブルにあわないためには、相談先に信頼できる不動産会社を選ぶことが重要です。
信頼できる不動産会社には、一般的に「業績が伸びている」「業歴10年以上」「顧客の口コミがよい」「事務所の立地がいい」といった特徴があります。さらに、宅地建物取引業者の免許番号から、更新状況や懲罰履歴を確認するとより確実です。
そのうえでもっとも重要なことは、顧客の相談に親身に乗ってくれて、顧客の立場に立った提案をしてくれる担当者がいるかどうかです。投資マンションの相談には、取り扱う幅広い物件の中から、顧客に合った提案をしてくれる会社を選ぶことをおすすめします。
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