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エアコンの交換・修理費用負担の義務は誰にある?その他の設備についても解説

賃貸住宅の必須設備として今ではエアコンは当たり前になっています。

では、エアコンが故障した際の交換や修理費用は、オーナー・入居者どちらの負担になるのでしょうか。費用の相場やその他の設備のケースについても解説します。
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賃貸物件のエアコン修理や交換費用は誰が負担する?

賃貸物件に限らず、エアコンはいまや夏だけではなく、冬にも欠かせないものとなっています。この「生活必需品」ともいうべきエアコンが、故障や交換が必要になった場合の費用負担は誰がするのかについて紹介します。

ほとんどの場合、エアコンの修理・交換費用はオーナー負担

賃貸物件に設置されたエアコンが故障し、修理または交換が必要となるケースでは、オーナーが負担するのが一般的です。これは、エアコンが賃貸物件の固定設備であるため、日常的な使用での故障ならオーナーの責任となるためです。とくに新築時に設置されたエアコンの場合、最初の故障までの費用はオーナーが支払うのが普通です。ただし、契約内容で異なる取り決めをする場合もあります。

エアコン交換の標準期間

エアコンの寿命は一般に10年から15年とされています。しかし、メーカーやモデル、使用状況によっても変動します。オーナーとしては、この期間を目安に交換計画を立てると良いでしょう。また、入居者としては、入居物件決定の際にエアコンの年式をチェックすることで、将来の交換時期を見越すことができます。入居者は、エアコンの性能低下を早めないためにも、定期的な清掃やメンテナンスも積極的に行うべきです。

古いエアコンを交換してほしい旨の申し出への対応方法

入居者がエアコンの交換を希望する場合、その理由が故障や機能不全であるなら、オーナーが交換の責任を持つべきでしょう。ただし、単に古いから交換してほしいという要望の場合は、協議が必要になります。この際オーナーは、交換にかかる初期費用と、新しいエアコンの省エネ効果(電気代の削減効果)や機能の向上などを比較検討して、交換するか否かを判断します。

エアコン交換費用を入居者が負担するケース

エアコンの誤使用や重過失、故意の破損が原因で故障した場合、交換費用は入居者が負担することが一般的です。以下、具体的な行為について詳しく見ていきましょう。

  • 使い方に問題がある場合
  • 外部からの物理的なダメージ
  • メンテナンスの不足

使い方に問題がある場合

・設定温度の極端な変更:冷房時に極端に低い温度設定、暖房時に極端に高い温度設定などが該当します。

・連続運転の過度な使用:エアコンを24時間連続で何日にもわたって運転するなどの行為が、故障の原因となることがあります。

外部からの物理的なダメージ

・衝撃を与える:家具の移動などでエアコンに衝撃を与える行為は、故障の直接的な原因となりえます。

・液体のこぼれ:エアコンのリモコンに飲み物をこぼすなど、液体による損傷も故障の原因となることがあります。

メンテナンスの不足

・フィルターの掃除の怠慢:定期的な掃除を怠ると、エアコンの効率が下がり、故障につながることがあります。

このような場合、エアコンの故障は入居者の責任とされる可能性があり、交換費用の負担を求めることができることがあります。入居者はエアコンの取扱説明書の確認、日常的なメンテナンス、設定温度の適切な管理など、正しい使用方法を守らなければなりません。また、何か問題が発生した際は、すぐにオーナー(または管理会社)経由で修理業者に診断してもらい、費用負担の責任を明確にするべきでしょう。

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入居者が増設したエアコンの故障や交換はどうなる?

エアコンの増設は、入居者の快適な生活に寄与しますが、入居者が増設したエアコンの場合、交換費用や故障時の対応はどうなるのでしょうか。

増設したエアコンの故障・交換:入居者の責任と対処法

入居者が増設したエアコンの場合、その費用やメンテナンス、交換はすべて入居者の責任となります。故障した際には入居者自らが修理業者を探し、費用を支払う必要があります。また、退去時には、オーナーとの合意なくエアコンを残すことはできない場合が多いので、撤去費用も考慮する必要があります。したがって増設の際には、今後のメンテナンスや撤去の計画もしっかりと立てる必要があります。

造作買取請求権:エアコン増設後の権利と義務

造作買取請求権とは、借地借家法第33条で以下のように定められているものです。

”建物の賃貸人(オーナー)の同意を得て建物に付加した畳、建具その他の造作がある場合には、建物の賃借人(入居者)は、建物の賃貸借が期間の満了又は解約の申入れによって終了するときに、建物の賃貸人(オーナー)に対し、その造作を時価で買い取るべきことを請求することができる。”

※注=カッコ書きは筆者が付け加えました。

つまりエアコンに関していうと、「取付時にオーナーの許可を得ている場合」には、造作買取請求権が発生し、退去時に買い取ってもらえる、ということになります。

ただ実務においては、「買取請求権を行使しないなら、取付を許可する」ということが多いようです。

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エアコン以外にも気を付けたい物件設備の負担

エアコン以外にも、賃貸物件の設備の修理や交換に関する負担は重要な問題です。エアコン以外の設備についても、オーナーと入居者の負担について詳しく解説します。

オーナー負担の設備修繕一覧:エアコン以外のケース

エアコン以外の固定設備の修理費用も、多くの場合オーナーが負担します。例として、給湯器、浴室設備、換気扇、水回りの設備などがあります。これらの設備も、定期的な点検と適切なメンテナンスが求められるため、オーナーと入居者との良好なコミュニケーションが重要です。

賃貸物件の機器・設備交換の相場と時期

賃貸物件における機器や設備の交換は、入居者の快適な生活を支える重要な要素です。以下、主要な機器・設備の交換相場とその時期について詳しく解説します。

エアコン

一般的に10〜15年が寿命とされ、新しいモデルへの交換費用は8万〜15万円程度が相場です。

給湯器

給湯器は10〜12年が寿命とされ、交換費用は10万〜20万円が一般的です。

トイレ

トイレの交換は15〜20年に一度が目安で、新しいウォシュレット式などへの交換は5万〜10万円程度が相場です。

浴室設備

浴室は15〜20年の寿命が一般的で、リフォーム費用は30万〜100万円程度、場合によってはそれ以上かかることもあります。

キッチン

キッチン設備の交換は15〜20年が目安で、システムキッチンへの交換費用は20万〜80万円程度が一般的です。

これらの交換時期や費用は、設備の種類、メーカー、使用状態などにより大きく変動します。オーナーとしては、物件の価値を維持するためにも定期的な点検と必要に応じた交換を計画的に行うべきです。

一方、入居者としては、交換が必要になった際の費用負担の有無や範囲を契約時にしっかり確認しておくことが重要です。自分の責任で交換が必要になった場合や、オーナーが交換を拒否した場合の対応なども、契約内容に基づいて適切に行う必要があります。

賃貸物件における機器・設備交換の相場と時期に関する理解は、快適な住まいの持続とトラブル回避につながります。両者が共通の認識を持つことで、より良いオーナーと入居者の関係が築かれるでしょう。

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コラム監修

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伊藤幸弘

資格

宅地建物取引主任者・賃貸不動産経営管理士・FP技能士・公認 不動産コンサルティングマスター・投資不動産取引士・競売不動産取扱主任者・日本不動産仲裁機構ADR調停人

書籍

『投資ワンルームマンションをはじめて売却する方に必ず読んでほしい成功法則』


『マンション投資IQアップの法則 ~なんとなく投資用マンションを所有している君へ~』

プロフィール

2002年から中古投資マンションを専門に取引を行う。
2014年より株式会社TOCHU(とうちゅう)を設立し現在にいたる。

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