投資マンション基礎知識
空室対策でおすすめのリフォーム箇所4選。資金がない場合の対策や方法も紹介
空室対策としてやみくもにリフォームをしても逆効果の可能性があります。
空室対策として有効なリフォームとNGなリフォームについて解説します。また、リフォーム資金を捻出する方法についても紹介します。
目次
空室対策で有効なリフォーム箇所4つ
賃貸物件の空室対策としてのリフォームは、アパート経営成功の鍵です。空室を減らすためのリフォームの効果、最も効果的な箇所、費用の相場などについて詳しく解説します。
空室を減らすためのリフォームの効果
物件の古さや機能の不足は、空室の主要因です。リフォームは、物件を現代的で魅力的に変え、多様な入居者のニーズに応えます。高品質の床材の導入や壁紙の変更など、シンプルな改修でも効果が期待できます。
不動産投資のポータルサイト「健美家」による「不動産投資に関する意識調査」でも、リフォームが空室対策の主要な対策方法であるという結果でした。
賃貸物件で最も効果的なリフォーム箇所
アパートの入居率をアップさせるために効果的なリフォームには、以下の4つの箇所がとくに効果的です。
- 内装の更新
- 水廻りの修繕・近代化
- 設備の近代化
- 外観の美化
内装の更新
物件室内に古さや傷みがみられる場合、床と壁(クロス)を新しくするだけで室内のイメージが激変します。コストのわりに効果が高いので、内装のリフォームは空き室対策に大変有意義です。
水廻りの修繕・近代化
水廻りのリフォームは見た目だけでなく機能性も改善します。とくに以下の箇所の近代化が重要です。
- 古い浴室をユニットバスに変更
- トイレをウォシュレット付きに変更
- 給湯器を追い炊き機能付きに変更
水廻りは女性がとくに意識する部分であるため、重点的にリフォーム対象とすることで、女性の単身者だけでなくファミリー層の入居率向上にも効果があります。
設備の近代化
入居者に人気の設備は、入居率アップに大いに役立ちます。とくに最近は、単身者やファミリー向けに応じて、無料インターネット、オートロック、宅配ボックスなどを導入するとより効果的です。
外観の美化
外観の第一印象は入居者の選定に大きく影響します。外観を美化するリフォームは、物件の魅力を高める重要なステップとなります。
これらのリフォーム方法を適切に組み合わせることで、物件の価値を向上させ、入居率の向上を実現することが可能です。リフォームの計画時には、ターゲットとなる入居者層のニーズを考慮し、最も効果的なリフォーム箇所を選ぶことが求められます。
リフォームの具体的箇所と費用相場
効果的なリフォームは計画的な予算設定が欠かせません。リフォーム業者とのコンサルテーションで、質と費用のバランスを見極めることが重要です。料金は地域や業者、使用する材料により異なるため、複数の見積もりの取得がお勧めです。以下に、リフォーム価格の目安を提示します。
<価格の目安>
- 壁紙の張替え:1,000~3,000円(平米あたり)
- 床の張替え:1,000~5,000円(平米あたり)
- トイレ交換:5~10万円
- 浴室設備:30~100万円
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空室対策でNGなリフォーム3つ
空室対策のリフォームには、避けるべき点も存在します。NGなリフォームとその理由をきちんと理解し、効果的なリフォームを計画するようにしましょう。
不必要に高額なリフォーム
リフォームの計画には慎重さが求められます。一般的に、流行に左右されすぎる、入居希望者のニーズと合わない選択、予算オーバーなどが挙げられます。物件の対象層を明確にして、彼らのニーズに合致するリフォームを計画することが重要です。
失敗例:学生向けの物件に高級材料を使用したリフォームは、家賃の上昇を招き、逆に入居率が下がるおそれがあります。
入居者の要望に添っていないリフォーム
リフォーム計画を進める前に、入居希望者とのコミュニケーションを深めることで、そのニーズを正確に把握できます。アンケートや直接の対話などを通じて、要望を明確にし、リフォームに反映させるべきです。
失敗例:ペット可物件としてのリフォームにおいて、ペットの飼育に不適切な床材や壁材を選ぶと、入居者に不評を買う可能性があります。
その他、法令違反等のリフォーム
そのリフォーム計画が法令に違反しないかなど、過去の失敗事例から学ぶことは、リフォーム成功へのポイントとなります。
失敗例1: 既存の構造を無視した間取り変更。支持壁を壊してしまい、建物の構造に問題を引き起こしたケースがあります。
失敗例2: 法規制を無視したリフォーム。階段の幅や手すりの高さなど、建築基準法に違反したリフォームによって、後々のトラブルに発展したケースもあります。
リフォーム資金がない場合の手段・対策
資金が不足している場合でも、効果的なリフォームは可能です。資金の調達方法に加えて物件売却までを選択肢にいれた解説をします。
資金不足時のリフォーム融資の選択肢
銀行やクレジット会社からの融資は、資金調達のひとつの手段です。しかし、返済計画や金利などを慎重に検討し、経済的な負担を最小限にすることが重要です。
実際申し込む融資の種類は、(アパートの)リフォームローンとなり、その金利は業態別に以下の違いがあります。普段から金利の安い金融機関と積極的に付き合って、ローン相談の際にも話がしやすい人間関係を構築しておくことをお勧めします。
地銀 | 信金 | ノンバンク | |
金利 | 0.6~3%程度 | 1~4%程度 | 2~5%程度 |
【出典】上海摩天楼君著「不動産投資家のリアル・ルール」より(一部改変)
物件売却のタイミングとプロセス
「リフォームはしたいけれど、そのための資金がない。融資も難しく、にっちもさっちもいかない」
そのような場合には、物件そのものの売却も選択肢になります。その場合のタイミングとプロセスは以下のとおりです。
【売却を見極めるタイミング】
市場状況の分析
物件の売却価格は市場の状況に大きく影響されます。不動産市場が活況の際は、物件の価値が高まることが一般的で、売却の良いタイミングとなるでしょう。
個人の経済状況
売却のタイミングは、個人の財政状況にも密接に関連します。たとえば物件売却により、資産ポートフォリオが変化しますので、自身の資産運用スタイルが大きく変わらないタイミングを検討する必要があるかもしれません。
【売却プロセスの進め方】
査定と価格設定
信頼できる不動産業者に査定を依頼し、適切な売却価格を設定します。価格設定は売却戦略の核心であるため、専門家の意見を積極的に取り入れると良いでしょう。
媒介契約の締結と広告戦略
選んだ業者と媒介契約を締結した後、物件のマーケティング戦略を練ります。写真撮影、広告、現地内覧会など、売却促進のための活動を計画します。
買い手の募集と交渉
買い手が見つかると、価格や条件についての交渉が始まります。交渉はプロの仲介業者が行うことが一般的です。
売買契約の締結
交渉が成立したら、売買契約を結びます。この段階では専門の法律家の協力も得ることが一般的です。
物件引渡し
契約後、決済と物件の引渡しを行います。引渡しの際には、物件の状態の確認や必要書類の交換などが行われます。
物件売却は、多くのステップと複雑なプロセスを伴います。市場状況の理解、個人の経済状況、物件の状態など、多岐にわたる要素を総合的に考慮しながら、プロの専門家と連携して適切に進めることが求められます。適切なタイミングと慎重な計画によって、成功へと導くことが可能です。
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