不動産投資
アパート経営のデメリットに注意!不動産投資で儲けるには
アパート経営は「家賃収入が得られる」と「節税できる」という大きなメリットがありますが、同時に初期費用の高額や空室リスクなどのデメリットも存在します。
成功させるには、これらのリスクを正しく理解し、適切な対策を講じることが必要です。この記事では、アパート経営の仕組みからメリット・デメリット、そしてリスク回避の方法までを詳しく解説します。不動産投資を検討している方は、ぜひ参考にしてください。
目次
アパート経営で儲ける仕組み
アパート経営が儲かるとされる理由には、「家賃収入が得られる」「節税できる」という2つの理由があります。アパート経営で利益が出る、それぞれの仕組みを解説します。
家賃収入が得られる
アパートを建てて第三者に貸し出すことで、オーナーは家賃収入を得られます。家賃は毎月発生するものなので、オーナーは安定した収入を得られます。いわゆる「不労所得」が実現できるとして、会社員でも副業としてオーナーになるケースが多く見られます。
節税できる
アパート経営をすることで、相続税、固定資産税、都市計画税、所得税などの節税も可能です。特に注目されるのは相続税で、賃貸収入より節税を重視してアパートを建築する人も多く存在します。
不動産評価額を下げられるため、現金で相続するより節税効果が高いのがメリットです。
アパート経営にはどんなデメリットがある?
ここでは、アパート経営をする上で考えられるデメリットについて解説します。
初期費用が高額
アパート経営は、ほかの土地活用方法より初期費用が高額になります。たとえば、木造3階建てアパートを90坪の土地で建てた場合の建築費用は、およそ9000万円とされています。
建物以外にも駐車場の設置費用や不動産取得税、登記費用、火災保険料、アパートローンの手数料などが必要です。不動産会社を通して物件を購入した場合は、仲介手数料も支払わなければなりません。
建物以外の初期費用が意外と高額になるため、諸経費も含めた金額で資金調達する必要があります。
空室リスクがある
賃貸経営をする上で考えられるのが空室リスクで、立地のよくない地方にある物件ではよく見られます。空室が発生すると収入がないため、長期化するほど損失が拡大してしまいます。
ただ、ワンルームマンション投資と比較すると、1つの部屋が空室になってもほかの部屋の収入で補えるため、安定したキャッシュフローを期待できます。立地のよい場所にあるアパートならすぐに入居者が見つかるため、それほど心配ありません。
賃料が下がる可能性がある
経年劣化や周辺相場による影響などで、賃料の下落が発生する可能性があります。最初に設定した賃料でずっと貸せるわけではないことを、念頭に置いておきましょう。ただし、全国における共同住宅の賃料は、ここ10年ほど横ばいが続いているため、急激に下落することはなさそうです。
しかし、貸室が事故物件になると大幅な値下げが必要になるため、問題を起こさない入居者を選定しましょう。
金利上昇するリスクがある
不動産投資を始める場合は、アパートローンなどの事業用ローンを借り入れて購入するケースがほとんどです。したがって、借入金利が上昇すると返済額が増えてしまうため、収支に悪影響を及ぼします。
対策としては、返済方法を元利均等返済ではなく元金均等返済にするのをおすすめします。金利が低いうちに元金の返済を早期に進めれば、万が一、金利が上昇してもダイレクトに影響を受けずに済むからです。
修繕費がかかる
アパートは年数が経過するほど、建物の内外が劣化してしまいます。古くなればなるほど増えるリスクが「修繕費」です。
入居者に貸している部屋の設備が老朽化で壊れた場合、修繕義務はオーナーにあります。そのため、中古アパートを購入した場合は何かと修繕費がかかるため、支出が増えることも少なくありません。
最低限の保障としてオーナーは火災保険に加入し、入居者には入居者用専用の火災保険に入ってもらう必要があります。
ファイナンシャル・プランナーによる
みらい収支シミュレーションはこちら
それでも魅力的!アパート経営のメリット
不動産投資にはさまざまな種類がありますが、アパート経営はそのなかでも魅力的な投資方法です。ここでは、アパート経営のメリットについてご紹介しましょう。
少ないリスクで高利回りの資産運用ができる
アパート経営は株式投資や先物取引などと比較すると全損することはないため、比較的リスクが少ない投資方法です。住居系の土地活用のため、店舗やオフィスビルなど事業系の建物より安定した収益が見込めます。
相続税対策になる
相続税を抑える対策として有効なのが、アパート経営です。現金を相続した場合は、そのままの金額が課税対象となるため、多額の相続税を納めなければなりません。
しかし、アパートのような収益物件は相続税評価額がかなり低くなるため、相続税を抑えられるのがメリットです。被相続人の貸付事業用宅地等に該当する土地は、土地の評価額が200平方メートルまでなら50%も減額されるため、現金で相続するより相続税が少なくなります。
参考:国税庁「No.4124 相続した事業の用や居住の用の宅地等の価額の特例(小規模宅地等の特例)」
建築規制が緩いので建てやすい
アパートはビルやマンションと比較すると建築規制が緩いため、建てやすいのがメリットです。工業専用地域や市街化調整区域など、建物の建築ができない地域を除いて、大抵の場所で建てられます。
マンションを建築するときは日照権の問題などで近隣住民とトラブルになるケースがあり、建築中には騒音や振動などが発生します。そのため、建築する際は住民説明会も開催しますが、反対住民が多い場合は紛糾することが少なくありません。
マンションよりも建物規模が小さく投資をしやすい
アパートは建物規模が小さいため、マンションを建てるより投資金額が少ないのがメリットです。土地は自分の土地を使うことが多く、建築代金だけで済むケースもあります。
マンションやビルの場合は建築費用だけで数億円しますが、アパートならば1億円以下で建築することも可能です。借入金が少ないため、マンション経営よりも小さなリスクで投資できます。
賃貸需要が多いので経営しやすい
立地がよくない場所でも、周辺に大きな工場や病院などがある場合は十分、賃貸需要があるといえます。社員寮で借り上げる場合もあるので、安定した家賃収入を期待できます。
マンションは駅から近く、広い面積の敷地でないと建てられませんが、アパートならば住宅地の空き地でも建築することが可能です。立地がよい場所でなくても、賃貸経営を行えます。
アパート経営のリスクと回避する方法
ここでは、アパート経営にあるリスクと、そのリスクを回避する対処法について解説します。
空室リスク
アパート経営する際の最大のリスクは、空室リスクです。空室が発生すると賃料収入が入らないため、キャッシュフローが悪化します。
空室リスクが発生しやすいのは、「立地が悪い」「築年数が古い」「供給過剰である」などの要因がある物件です。
回避する方法
空室リスクを回避する方法としては、ほかの物件との差別化を図るようにしましょう。たとえば、無料インターネットなどの人気設備を投入する、敷金・礼金が無料の「ゼロ・ゼロ物件」にするなどです。
一度入居してしまうと転勤などの理由が発生しない限り、なんとなく住み続けるものなので、「入居者が入りたくなる物件」を目指しましょう。
賃料下落リスク
アパートなどの不動産は年数が経過するごとに、資産価値が少しずつ下がります。建物が老朽化することにより、賃料の値下げを入居者から求められることもないとはいえません。
賃料が下がると収益が減るので、なるべく下がらないように対処する必要があります。
回避する方法
家賃の下落を緩やかにできる、品質のよい建物を建築するのも効果的です。たとえば、施工品質の高いハウスメーカーに建築依頼するとよいでしょう。
アパートを建てる立地も重要です。近くにライバルとなるアパートが建てられない立地に建築するのもおすすめです。
返済リスク
アパートを建てる場合には、金融機関から借り入れするのが一般的です。しかし、金利上昇など想定外の事態が発生すると返済金額が上がるため、返済に困る可能性があります。
回避する方法
返済リスクを回避するには、自己資金を十分用意することが必要です。なるべく新築時の自己資金を増やして借入金を減らします。
借入金の返済額が少なければ、万が一、空室が長期化してもなんとか持ち堪えられるので、そもそも過度な借り入れをしないようにしましょう。
修繕リスク
修繕費がかかり過ぎると賃貸経営を圧迫するので注意したいポイントです。老朽化だけでなく、災害や入居者による事故での損害も考えられます。
回避する方法
中古アパートを購入するときは、住宅設備の状態がよい物件を選びましょう。災害や入居による過失で損害を受けたときは保険金で修繕できるように、オーナー・入居者の双方で火災保険に加入する必要があります。
家賃滞納リスク
入居者が家賃を滞納すると家賃収入が入らないため、キャッシュフローが悪化します。アパートローンを家賃収入で返済している場合は、自己資金を投入することになるので注意しましょう。
回避する方法
家賃滞納リスクをなくすには、家賃保証サービスに加入するのをおすすめします。連帯保証人などの人的保証は、回収するのに手間がかかる上に回収できない可能性があるためです。
家賃債務保証会社に支払う保証料は入居者が払うので、オーナーの負担にはなりません。近年では、家賃債務保証会社への加入が義務付けられるケースがほとんどです。
あなたのマンション・アパートの価格が分かる