投資マンション基礎知識
新築ワンルームマンションの価格相場|価格と利回りの関係は?新築購入は中古よりも危険?

投資用のワンルームマンションを購入するとき、新築物件か中古物件かという選択があります。新築のほうが購入価格は高いですが、入居者が見つかりやすいメリットがあります。
一方で、利回りが低くなる傾向にあるため、より入念な投資計画を立てる必要があるでしょう。
新築ワンルームマンションの価格相場や価格と利回りの関係、購入時に注意するべきポイントを紹介します。
目次
新築ワンルームマンションの価格相場
新築ワンルームマンションの価格相場の目安や地域による違いを紹介します。また、中古物件との価格差も確認しておきましょう。
新築ワンルームマンションの価格相場の目安
不動産経済研究所の「全国新築分譲マンション市場動向2022年(年間のまとめ)」によると、新築分譲マンションの一戸当たりの平均価格は5,121万円です。この平均価格はすべての間取りの平均額であり、1㎡あたりの平均単価は79.3万円です。
国土交通省の「国土交通省住生活基本計画(全国計画)」では、単身者の居住面積について、健康で文化的な「最低居住面積水準」を25㎡と定めています。ワンルームマンションを25㎡と仮定した場合、全国の価格相場は約1,980万円と考えられます。
一方、首都圏では、新築分譲マンションの一戸当たりの平均価格は6,288万円、1㎡あたりの平均単価は95.1万円です。同様の25㎡で計算すると、首都圏の価格相場は約2,600万円です。
広さに関わらず、必要な水回りなどの設備があるため、実際にはワンルームマンションの価格相場は1㎡あたりでの換算よりも割高になります。そのため、2,000万円台~3,000万円台が相場の目安ではないでしょうか。
ただし、新築マンションは立地によって大きく価格が変わり、東京都内ではワンルームマンションでも1億円を超える物件が販売されています。
より詳しいデータ、2024年までの価格・賃料などについてはこちらで詳しく紹介しています。
東京都23区ワンルームマンション成約価格・賃料・利回りに関するトレンド調査【2017~2024】
価格相場の地域による違い
新築ワンルームマンションの価格相場は立地条件や間取り、導入設備などによってさまざまであるため、一概に金額は提示できません。
しかし、国土交通省が発表している不動産価格指数を目安にできます。
| 地域 | マンションの不動産価格指数 |
|---|---|
| 北海道他方 | 253.0 |
| 東北地方 | 226.4 |
| 関東地方 | 184.4 |
| 北陸地方 | 157.7 |
| 中部地方 | 186.3 |
| 近畿地方 | 191.9 |
| 中国地方 | 217.3 |
| 四国地方 | 235.0 |
| 九州・沖縄地方 | 231.8 |
引用:国土交通省「不動産価格指数 (令和5年3月・ 令和5年第1四半期分 )」
不動産価格指数とは、2010年の平均価格を100として不動産価格の動きを指数化したデータのことです。
三大都市圏以外での不動産価格が大きく上昇しており、2010年より地域による価格差が縮小していることがわかります。
【比較】新築と中古はどれくらい違う?
国土交通省の「不動産市場動向マンスリーレポート(H31.2公開)」から、新築マンションと中古マンションの価格差について見てみましょう。
| 地域 | 平均価格(新築) | 平均価格(中古) | 価格差 |
|---|---|---|---|
| 東京都 | 7,577万円 | 4,021万円 | 46.9% |
| 首都圏 | 5,653万円 | 3,294万円 | 41.7% |
| 近畿圏 | 3,756万円 | 2,395万円 | 36.2% |
| 大阪圏 | 3,513万円 | 2,589万円 | 26.3% |
表のとおり、新築と中古ではマンションの平均価格は大きく異なります。
内閣府の「平成27年度 住生活に関する世論調査」でも「住宅を購入するとしたら新築の戸建て・マンションがよい」と回答した人は合わせて73%にものぼりました。
つまり、「新築」ということ自体に高い価値を見いだす人が多いため、新築物件の価格は割高に設定されているといえるでしょう。
新築ワンルームマンションの価格と利回りの関係
新築ワンルームマンションの価格と利回りの関係性について見ていきましょう。
新築ワンルームマンションの利回り相場
以下の図のように、ワンルームマンションの期待利回り(価格から期待される賃料での利回り)は3%台後半~5%前後となっています。

引用:一般社団法人 日本不動産研究所「第48回 不動産投資家調査(2023年4月現在)」
新築ワンルームマンションの場合、購入価格が高いため利回りの相場は少し下がり、3~4%前後といわれています。
価格と利回りの関係
利回りは、投資したマンションの収益率を見るための指標です。マンション購入にかかった金額に対して収益がどれくらいあるのかの割合のことを指し、利回り(%)が高いほど収益が出るということになります。
不動産投資における利回りには「表面利回り」と「実質利回り」の2種類があります。
年間家賃収入を物件の価格で単純に割ったものが表面利回りです。
一方、実質利回りは費用を考慮した利回りです。購入価格に物件購入時の登記費用やローンの事務手数料などの諸費用を足し、年間家賃収入から管理費、修繕費、固定資産税などの維持費を抜いて計算するため、実質利回りのほうが実態に近い利益率になります。
ただし、どちらの利回りも物件の購入価格を基に算出するため、購入価格が高くなればその分利回りは低くなりやすいでしょう。
「新築」価格による利回り低下の可能性
新築物件は人気が高く売れやすいため、価格が割高に設定されているのが一般的です。
新築や築浅の物件は需要が高く、購入当初は空室率も低く、収益が安定する傾向にあります。しかし、賃貸住宅に対して入居者が支払える家賃には限度があるため、高すぎる家賃は設定できません。
さらに、築年数が経過して物件の人気が下がってくると、空室率が上がり、家賃を下げざるを得ません。新築の割高な価格で購入すると、期待していたような利回りが得られない可能性があります。
これが、「新築ワンルームマンションの投資は危険」といわれる理由です。
ただし、新築ワンルームマンションは建物や設備が新しいため、耐用年数が長く、資産価値が長く続くため、売却しやすいのがメリットです。
一方で、中古マンションは価格が安いことがメリットですが、多額の修繕金の負担が発生するおそれがあります。
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新築ワンルームマンションの購入は危険?
「新築だから」「中古だから」よい・悪いということはなく、どちらも購入にあたってはそれぞれ注意すべきポイントがあります。
ここでは、新築ワンルームマンションの購入を検討する際の注意点について解説します。
物件価格の下落を想定しておく
近年不動産価格は上昇傾向です。しかし不動産市場は変動するため、将来の不動産価格を正確には予測できません。
そのため、物件価格の下落やそれに伴う賃料収入の低下についても想定しておくべきでしょう。自分のリスク許容度に合った物件を選択し、リスクを最小限に抑える必要があります。
また、マンションの資産価値は人が住んだ瞬間に低下するといわれています。新築時の需要が高い時期だけでなく、長期的なキャッシュフローについて計画しましょう。
周辺エリアについて調査しておく
新築マンションは、開発中のエリアに建てられるケースがよくあります。エリアの開発が思ったように進まなければ、生活環境が不便で、賃貸需要が思ったより増えないリスクが考えられます。
中古マンションと違い、新築マンションでは同じ物件における過去の実績がありません。周辺施設や開発状況の調査を入念に行い、物件エリアのニーズについて把握したうえで検討するとよいでしょう。
事前に出口戦略を立てておく
新築ワンルームマンションは購入価格が高いというデメリットがありますが、逆にいうと建物が新しく、資産価値が高いというメリットもあります。
不動産価格が上昇したタイミングで売却すれば、家賃に加えて売却益による不動産投資の成功も見込めます。
新築のメリットとリスクを考えたうえで、事前にどのくらい保有するのか、売却するとしたらどのタイミングで行うのかという出口戦略も含めて検討するとよいでしょう。
不動産投資には、地域のニーズや周辺状況などのマーケットリサーチが必要です。専門家として豊富な情報を持つ、投資用マンション専門の会社に相談するのがおすすめです。
より詳しいデータ、2024年までの価格・賃料などについてはこちらで詳しく紹介しています。
あなたのマンション・アパートの価格が分かる
コラム監修
伊藤 幸弘(いとう ゆきひろ)
株式会社TOCHU(トウチュウ)代表取締役
投資マンション専門家/不動産コンサルタント
プロフィール
2002年より投資用中古ワンルームマンション売買のキャリアをスタート。
20年以上にわたり投資マンション市場に携わり、売主・買主双方のリアルな課題解決を通じて、個人投資家の資産形成をサポートしてきた。
2014年に株式会社東・仲(現:株式会社TOCHU)を設立。
投資用中古ワンルームマンションを中心とした売買仲介・買取事業を展開し、これまでの取扱実績は20,000件以上。
現在、会社には年間7,000件以上の投資マンション売却・不動産投資に関する相談 が寄せられており、多くの投資家の売却戦略や資産運用をサポートしている。
2025年には業界初となる価格透明化サービス 「TOCHU iBuyer」 を展開。
中古投資マンション市場の価格不透明性を解消し、投資家が適正価格で売却できる仕組みづくりを推進している。
「誠実な取引こそが市場の信頼をつくる」という理念のもと、 投資マンション市場の健全な発展を目指して活動している。
専門分野
・投資マンション売却
・投資マンション買取
・オーナーチェンジ物件売却
・不動産投資コンサルティング
メディア掲載・業界実績
投資マンション売却・不動産投資の専門家として、各種メディアや業界媒体で紹介されている。
・NHKにて不動産市場に関する取材
・「住宅新報」にてTOCHU iBuyerが紹介
・「リフォーム産業新聞」にて企業取り組みが掲載
・不動産業界メディア「リビンマガジンBiz」にてサービス紹介
・不動産オーナー向け専門誌「月刊 地主と家主」に書籍が掲載
・ERA LIXIL不動産ショップ全国大会にて成績優秀により複数回受賞。
・不動産業界団体 投資不動産流通協会 の会員として研修・研究活動に参加。
・JAPAN BUILD 「不動産テックEXPO」 のセミナー登壇
不動産取引のデジタル化・透明化に向けた取り組みを発信している。
保有資格
・公認 不動産コンサルティングマスター
・宅地建物取引士
・ファイナンシャル・プランニング技能士
・賃貸不動産経営管理士
・投資不動産取引士
・競売不動産取扱主任者
・日本不動産仲裁機構 認定ADR調停人
著書・実績
『投資ワンルームマンションをはじめて売却する方に必ず読んでほしい成功法則』(クロスメディア・パブリッシング)
『マンション投資IQアップの法則 〜なんとなく投資用マンションを所有している君へ〜』(CHICORA BOOKS)



