投資マンション買取
ワンルームマンションを買取で売却する方法を解説。注意点や手続きの流れも紹介
投資用に所有していたワンルームマンションを売却するときは、一般的な居住用物件との違いに注意が必要です。投資用物件は買主も投資家なので、物件の良し悪しが収益性で判断されるのです。
できるだけ早く売却したい場合は、仲介ではなく、買取を選ぶことになります。ワンルームマンションを買取で売却する方法や注意点などについて解説します。
目次
投資用ワンルームマンションを売却するときの注意点
投資用マンションを売却する理由はさまざまですが、売却するときは誰しも「失敗したくない」「損したくない」と考えます。
そのため、投資用マンションを売却するときは、売却方法、査定方法など、売却について知識をつけておくと安心です。
ここでは投資用マンションを売却する際に、気をつけるべき注意点について解説します。これから売却を検討している方は、参考にしてください。
買主も投資家なので収益性が重要
投資用マンションを売却する場合、買主は同じ投資家と考えられます。買主も投資家ですから、物件の資産性や収益性が低いと感じる物件は買いません。
投資用マンションの売買は、居住用物件の売買とは異なり、収益性や安定性が重視されます。収益が安定していたり、物件が満室で安定していたりすると、高値売却できる可能性が高まります。反対に、空室続きや収益性が低く安定性がない物件は、物件価値が下がるおそれがあります。
オーナーチェンジ物件は売れにくい
入居者がいる状態で売買される物件のことを、オーナーチェンジといいます。オーナーチェンジ物件は、すでに居住者がいるため「居住用物件」としての売却はできません。物件の購入目的が投資用となるため、買い手は投資家など一部の人に限定されてしまいます。
また、投資用物件には、住宅ローンが利用できません。現金一括払いか不動産投資用ローンを組める人しか購入できないという点も、売れにくい理由のひとつでしょう。
不動産投資ローンの残債を把握する
不動産投資ローンを組んで物件を購入した場合、対象物件に対して抵当権が設定されます。物件に抵当権が設定されたままの状態では、他者へ引き渡せません。そのため、残債がある場合は、物件の売却代金や自己資金で一括返済する必要があります。
取引をスムーズに行うためにも、残債はあらかじめ調べておきましょう。
信頼できる不動産会社を選ぶ
不動産会社にも得手不得手があり、「マンション売却に強い会社」「仲介専門会社」など会社の特徴や得意分野はさまざまです。また、なかには悪質な業者も存在するため注意が必要です。
不動産売却では、不動産会社選びが非常に重要となるため、査定価格だけで判断するのは避けましょう。投資用物件の売買実績、販売戦略の内容、買取保証の有無、担当営業の対応など、総合的に見て信頼できる不動産会社かどうか見極めることが大切です。
買取と仲介の違いを理解する
不動産の売却方法には、「買取」「仲介」の2種類あります。買取は不動産会社に査定を依頼して、不動産会社に直接買い取ってもらう方法です。
一方、仲介は売主と買主のあいだに不動産会社が入って、仲介する売却方法です。それぞれの特徴を理解して、自分に合った売却方法を選びましょう。
ワンルームマンションを買取で売却するメリット、デメリット
買取で売却するメリットとして、手間をかけずに売却できる、すぐに現金化できるなどが挙げられます。一方、デメリットとしては、売却価格が安くなる、買取不可の可能性があるなどを挙げられます。
メリット・デメリットを理解して、今後の売却活動に活かしていきましょう。以下で詳しく解説します。
メリット
買取で売却した場合のメリットは、以下のとおりです。
すぐに現金化できる
買取の一番のメリットは、買主を探す手間が省け、すぐに現金化できることです。不動産会社に査定依頼をして、買取可能であれば1~2週間程度で売却できるでしょう。
売却活動に時間をかけたくない人や、現金が必要な人には買取がおすすめです。ぜひ買取を前向きに検討しましょう。
仲介手数料が発生しない
仲介で売却する場合は、仲介に入った不動産会社に仲介手数料の支払いが発生します。しかし、買取で売却する場合、買主は不動産会社になるため仲介手数料が発生しません。
契約不適合責任がない
契約不適合責任とは「物件の引き渡し後、契約内容に記載のない瑕疵が見つかった場合、売主は責任を負わなければならない」という内容の契約です。一般的に、仲介では売主が契約不適合責任を負います。しかし、買取の場合は、契約不適合責任が免責されるケースがほとんどです。
デメリット
買取で売却した場合のデメリットは以下のとおりです。
売却価格が安くなる
買取で売却する場合、一番のデメリットは売却価格が相場より下がってしまうことです。仲介と比べ、売却価格は相場の6~7割程度となるでしょう。早期売却が可能となる一方で、売却価格が安くなってしまうため、高値売却を考えている人に買取は向いていません。
買取してもらえないケースもある
買取の場合、必ず買い取ってもらえるわけではありません。築年数が古い、需要の低い地域にある、空室が続いている、利回りが低いなど物件の状況によっては、買取を断られる場合があるため注意が必要です。
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投資用ワンルームマンションの買取の手続き
投資用マンションを売却する場合、居住用物件の買取とは異なる手続きが必要です。この手続きは、売却利益に大きく関わってくるため、事前にしっかりと理解しておきましょう。
ここでは、投資用物件を買い取る手続きの流れについて解説します。
査定の依頼をする
投資用マンションの場合、入居者がいる状態で売却を進めていくケースが多く「机上査定」で査定価格を算出します。物件の利回り、賃料、周辺環境などの情報をもとに査定価格を出します。
早ければ1~2日で査定結果が出るでしょう。机上査定はすぐに査定結果が出ることが特徴です。査定依頼をするときは、複数の不動産会社に査定を依頼して比較、判断をしましょう。
売買契約を締結する
査定金額に納得できたら、不動産会社と売買契約を締結します。契約時には契約書・重要事項説明書の説明が行われます。文面や契約内容をしっかりと確認してから、記名・押印をしましょう。トラブルを未然に防ぐため、不明点・疑問点は必ず質問して、答えを明確にしておくことが大切です。
物件の引き渡し
契約締結後、物件の引き渡しを行います。投資用物件の場合は、オーナーと管理会社が変更になるため、入居者への連絡が必要です。一般的には買主となる不動産会社が入居者へ連絡しますが、念のため、契約時や引き渡し時に「入居者への対応」について確認しておくと安心でしょう。
確定申告をする
投資用マンションを売却したときに出た利益を、「譲渡所得」といいます。譲渡所得は以下の計算方法で求められます。
譲渡所得=売却金額-(取得費+譲渡費用)
投資用マンションを売却後、譲渡所得を得た場合には、必ず確定申告する必要があります。また、譲渡所得の税率は保有期間によって異なりますので、以下の表をご確認ください。
所得の種類 | 所有期間 | 所得税率 | 住民税率 |
---|---|---|---|
短期譲渡所得 | 5年以下 | 30% | 9% |
長期譲渡所得 | 5年以上 | 15% | 5% |
なお、不動産売却をして損失が生じた場合、基本的には確定申告の必要はありません。ただし、確定申告をしたほうが有利となる場合もあります。税に関する専門的な知識が必要となるため、不安な方は税理士に相談しましょう。
投資用ワンルームマンションの買取業者を選ぶポイント
投資用マンションの取引は、一般的な居住用物件の売買にはない専門的な知識が必要です。不動産会社にも得意分野があるため、売却を成功させるための買取業者選びは非常に重要です。ここでは、「買取業者選びのポイント」について解説します。
投資用物件のノウハウがある不動産会社に依頼する
投資用物件の取引には、専門的な知識が必要です。賃貸物件や居住用物件を扱う不動産会社に比べ、投資物件を専門で取り扱う不動産会社は決して多くはありません。売却を成功させるには、専門的な知識やノウハウがあり、経験豊富な不動産会社に依頼することが一番重要です。
売主(オーナー)の意見を取り入れてくれる
売却の際、売主(オーナー)にも売却条件があるでしょう。たとえば、売却価格や引き渡しの時期などです。信頼できる不動産会社であれば、可能な限り売主の意見を取り入れてくれます。
むしろ、売主の意向を無視して、一方的に取引を進める不動産会社には注意が必要です。「この会社不親切だな」、「こちらの話を聞いてくれない」など不信感を抱いた場合は、会社を選び直すのもひとつの方法です。
査定価格が適正価格かどうか
投資用物件の場合、居住状況、家賃収入などの将来生み出す収益=「収益価格」をもとに査定価格が算出されます。会社ごとに査定基準は異なりますが、明らかに高い金額を掲示してくる不動産会社もあります。
「あとから請求書が届いた」「当初の説明と違う」など、トラブルにならないためにも、明らかに査定価格が高いと感じる場合は、査定価格の根拠や査定基準を確認したうえで判断しましょう。
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