投資マンション売却
投資用マンションは今が売り時?売却するタイミングやメリットを解説
不動産価格が上昇し続けているなどの理由で、投資用マンションは売り時と言えます。投資用マンションを売却するメリットや売却のタイミングを解説します。
目次
投資用マンションは今が売り時
投資用マンションを所有しているオーナーは出口戦略をどのように考えているのでしょうか。近年は投資マンションが売り時なのか、考えていきたいと思います。
投資用マンションを売却するメリット
投資用マンションを売却するメリットは、一般的には以下が挙げられます。
- 高く売却できた場合に売却益を獲得できる
- 管理の手間から解放される
- 赤字が続いていた物件では損失を最小限に抑えられる
上記以外にも個人が物件を保有する目的に応じて売却メリットも異なってくるでしょう。
区分マンションの不動産価格指数は急上昇している
国土交通省から公表される不動産価格指数のレポートによると、2024年4月の住宅における全国の不動産価格指数の推移は2024年4月で住宅総合が140.1%で2013年頃から上昇し続けています。(2010年平均を100する)
※不動産価格指数・・・全国の不動産価格の動向を表す指標
マンション(区分所有)では200.2%となっており、下の表でも2013年付近を境に価格が急上昇していることが分かります。
東京都は200.6%、他の地域においても200%の上昇がみられました。
首都圏の中古マンション成約物件価格は上昇し続けている
東日本不動産流通機構(通称:東日本レインズ)による「首都圏における2023年(2023年1〜12月)の不動産流通の動向の」報告によると、中古マンションの成約物件㎡単価は11年連続で上昇、この11年で88.3%上昇しています。
成約物件の1㎡あたり単価は首都圏平均で71.90㎡(前年比6.9%増)、成約物件価格は4,575万円(前年比7.0%増)で㎡単価同様に11年連続で上昇。都県・地方別に見てもすべての都県・地域で前年を上回る結果となりました。
価格帯別に見ると5,000万円超の価格帯が成約件数、比率ともに拡大しています。
※出典:公益財団東日本不動産流通機構 首都圏不動産流通市場の動向(2023年)
低金利が続いている
日銀のマイナス金利解除後も、住宅ローンの低金利が続いていますが、今後は金利が上昇する可能性があります。
2016年の日銀によるマイナス金利政策で、住宅ローンの金利は大幅に下がりました。
金利の低い時期は投資用マンションを高く売りやすいです。金利が低いとローンの利息額も低くなりマンションを購入しやすくなるため、不動産の需要が高まるからです。
2024年3月に日銀がマイナス金利を解除し17年ぶりの利上げに踏み切ったことで、今後は住宅ローンの金利が上昇するかもしれません。すでに金融機関が決める固定型の金利は、長期金利の上昇傾向を受けて引き上げる動きがあります。
金利の低い時期の売却がおすすめです。
円安もいつまで続くか分からない
2024年も半分を過ぎ円安が続いていますが、いつ終わるかは分かりません。
円安時はドルを持つ外国人から見ると、1ドルを115円ではなく140円に両替できるため、資金的な余裕を持てます。
日本のマンションに興味のある海外投資家は、積極的に購入を考えられます。需要の増加で価格が上昇するため、高値で売却できるチャンスも増えているでしょう。
円安が続いているうちの売却がおすすめです。
投資用マンション売却のタイミング
投資用マンションを保有している場合、最終的な出口戦略として物件売却を想定されている方が多いのではないでしょうか。最大の利益を得るためには物件売却のタイミングを見極めることが非常に重要となります。
売却するタイミングは物件や所有者個人の事情も加味しつつもマーケット状況や時期などもよく調べながら検討を進めていくとよいでしょう。物件や個人の事情として考えうる内容は次のとおりです。
空室が埋まらず赤字になっている
投資用マンションは、多くのオーナーが家賃収入で住宅ローンを支払っています。
空室が埋まらないと、住宅ローンの支払い分を家賃収入で賄えなくなるため、オーナーの金銭負担が大幅に重たくなります。これでは債務が広がる一方なので物件を手放すことを検討した方がよいでしょう。
またこの場合では空室を埋める方法を考えることが最適解であることは間違いないのですが、入居してもすぐに退去してしまうため原状回復費などで赤字を生み出しているケースもあるかと思います。
ローンや税金が払えなくなった
住宅ローンや税金が支払えない場合。これも物件売却を検討すべき要因の一つです。不動産を保有している限り、固定資産税の支払いなど税負担が発生します。
ローンや税金のほかにも退去時の原状回復費用や日常の修繕費、入居促進のためのADや管理会社へ支払う事務手数料などマンションオーナーが負担する費用や必要経費は少なくありません。
支払いが厳しい場合は売却の検討をする必要がありそうです。
所有期間が5年を超えている
不動産を売却した際には譲渡益は課税対象となりますが保有期間により税率が変わるため、保有期間を再度確認されることをおすすめします。
所有期間が5年超の場合と5年以下の場合では課税比率が大きく異なるためです。
譲渡した年の1月1日時点の所有期間が5年超の場合、長期譲渡取得に該当し所得税率15%住民税5%復興特別所得税2.1%となります。
いっぽう短期譲渡となる5年以下の場合は、所得税30%住民税9%復興所得税2.1%となり、長期譲渡取得と比較して19%も多くなります。なお計算は「譲渡した年の1月1日時点まで」となります。「譲渡した日まで」ではないのでご注意ください。
減価償却が終了しそう
減価償却が終了する場合も売却の検討をした方がよいでしょう。
不動産は経年劣化により年々資産価値が減少しますが、その減少分を減価償却費として経費計上することが可能です。
減価償却の期間は木造で22年、鉄筋鉄骨コンクリートもしくは鉄筋コンクリートの場合47年と定められています。
減価償却期間が終了すると償却分の経費計上ができなくなるため、所得が上がり所得税や住民税の負担が増えることとなります。物件収支に影響を与えるものになりますので、減価償却期間を超える前に売却を検討するものよいでしょうか。
大規模修繕の後なら高く売れる可能性がある
大規模修繕工事を行なった場合は物件の見た目が綺麗になる以外に、建物のメンテナンスが実施されます。
そのため買い手がつきやすい傾向にあると考えられます。買い手側の心理として経年劣化によって引き起こされる修繕や漏水ななどの修繕費の支払いリスクがといったプラスの要素が生まれます。
万が一の場合を想定して物件購入を検討する買い手心理を考えた場合、大規模修繕工事を実施していることは購入の心理的ハードルを下げる大きな要因になります。
子供の進学などまとまった資金が必要になった
子供の進学するタイミングなどまとまった資金が必要となる場合も物件を売約するよいタイミングです。不動産の売却ではまとまった金額を得られることが多く、相場を見ながら売却を検討されるのがよいでしょう。
株や債券などの金融商品との違いとして売却を手続きには少なくても3ヶ月程度時間がかかるため、いつ資金が必要なのかをあらかじめ計算してから行動されることをおすすめします。
投資用マンションを売却する流れや注意点
では実際にどのように売却の手続きを進めていくか見てみましょう。
- 査定依頼
不動産会社にマンションの査定依頼をします。適正価格を知るためにも複数社に査定依頼をするのがよいでしょう。
- 媒介契約の締結
マンションの査定が出たら不動産会社と媒介契約を結びます。この時は投資用不動産に強い不動産会社を選ぶことをおすすめします。
- 売却活動の開始
投資用マンションの場合は居住用とアピールポイントが異なります。
利回りや近隣の開発状況、修繕履歴などのアピールポイントを用意しておくとよいでしょう。
- 条件交渉・契約締結
申込者希望者が現れると、契約条件の交渉を進めていきます。
値下げ交渉が入るはずなので、高めの設定にしておくことが重要です。
条件が合意すると売買契約の締結に移ります。
- 引き渡し
物件の引き渡し日では、売主・買主の他に不動産会社や司法書士などの関係者が集まります。
投資用マンション売却にかかる費用
売却にかかる費用も見ておきましょう。
かかる費用としては、仲介手数料、印紙税、抵当権抹消の費用、ローン返済手数料、譲渡所得税および住民税となります。
買取保証のサービスもあると安心
万が一の場合ですが、買主が見つからないケースもあります。この場合に安心なのが買取保証サービスです。概ね3ヶ月程度で物件が売れなかった場合に不動産会社が買い取ってくれるので心に余裕が生まれます。
複数社に査定依頼する
査定依頼をする場合は、複数社に依頼をした方がよいでしょう。
より情報が多く、精度がなる可能性が高いからです。不動産会社を決定する場合、査定額が高いだけで選ぶのは禁物です。不動産会社の得意分野や販売活動など調べてから判断するようにしてください。
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