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不動産投資で節税は嘘だと言われる5つの理由!節税目的で始めないほうがいい人とは?

マンション投資節税は嘘?

不動産投資について調べている人であれば「不動産投資は節税できる」という言葉をよく耳にするのではないでしょうか。

一方で「不動産投資の節税は嘘」という情報もよく目にします。

結論から言うと、不動産投資をする人の状況・環境などによって、「不動産投資で節税」は本当にも、嘘にもなります。

不動産投資が節税になる人・節税目的で始めないほうがいい人の特徴をまとめています。

不動産投資で節税は嘘ではない

不動産投資は実際に節税になります。ですが、条件次第で節税効果が大きくなったり、小さくなったりします。

節税効果を特に実感できるのは次のような人です。

  • 課税所得が900万円以の人
  • 相続される現金資産が多い人
  • 家族に財産を贈与したい人

課税所得が900万円以の人のケース

不動産投資を利用すると、課税される所得(課税所得)が低くなるため、所得税と住民税を抑えることができます。

例えば、課税される所得(以下、課税所得)が900万円以上の人だと所得税率は33%です。
ところが、課税所得が899万9,000円以下になると所得税率は23%まで下がります。

所得税=課税所得×税率-控除

また、住民税に関しても、税率は一律10%ですが、被乗数である課税所得が下がれば、自然と住民税も下がります。

住民税=課税所得×10%-控除

不動産投資での節税が嘘にならないケース

不動産投資の現金収支が黒字でも、会計上のみ赤字になっていると、特に節税がうまくいっている実感を得られます。

ですが、実際には現金収支が赤字であっても、課税所得を下げることができているのであれば、節税できていることになります。

会計上で赤字にして損益通算

“会計上で赤字”とは、不動産所得の現金収支が黒字でも、会計上のみ赤字になっている状態です。現金は黒字、会計上は赤字。この原因は、減価償却にあります。

不動産投資における減価償却とは、不動産購入経費を複数年に分割して経費計上できる仕組みのことです。

例えば、不動産を購入した翌年は、実際には購入費用経費は支出していないのに、支出したことにして計算します。そのため、現金上・会計上で差が出るのです。

不動産所得の計算式:

不動産所得=不動産収入(主には、家賃)ー経費(修繕費・固定資産税・保険料・ローンの利子・減価償却)

不動産所得がマイナスであれば、課税所得が下がり節税になります。

不動産所得がプラスになってしまい税金も上がると言うケースには、法人化すると節税になります。所得税・住民税が法人税に切り替わるため、その税率は43%(課税所得が900万円以上の人の場合、得税率33%+住民税率10%)から15.0〜23.2%に抑えることができます。

評価額を下げて相続税を節税

不動産投資は相続税の節税にも利用できます。
現金で相続する場合、相続税評価額は100%ですが、不動産の相続税評価額は現金よりも一般的に低くなります。

不動産の建物部分は、経年劣化の影響で徐々に評価額が下がっていくのは想像できると思いますが、土地においても相続税評価額は現金よりも低くなります。

また、不動産を賃貸していると相続税評価額はさらに下がるので、不動産投資はまさに相続税対策にぴったりです。

不動産投資での節税が嘘と言われる理由

不動産投資での節税が嘘だと主張する人は、次のパターンが考えられます。

  • 節税はできているが、持ち出しが多い
  • 税制改正で節税効果が抑えられるようになった
  • 土地も減価償却という嘘を信じてしまった
  • 購入してすぐ海外転勤になった
  • 投資用マンションは住宅ローン控除を受けられないと知らなかった

持ち出しが発生し、節税効果を実感しにくい

不動産投資をしていると、空室時のローン返済、修繕費や設備投資などの経費のため、持ち出しが発生することも。

「せっかく節税したのに、持ち出しがあっては、節税の意味がない。節税なんて嘘だ」と思うでしょう。

現金の動きだけを見ると、損しているような感覚になってしまう気持ちもわかります。

ですが、実際にはローン返済は自分の借金を目減りさせていますし、物件にかかる経費は空室率を下げるための投資と捉えることができます。

税制改正で節税効果が抑えられるようになった

税制改革の以前から、不動産投資をしている人は、特に節税ができなくなったと感じています。

これまで見てきた通り、不動産投資の節税効果は、減価償却に大きく影響されます。
平成28年の税制改革では、建物付属設備や構築物の減価償却が、定率法で償却できていたものが、定額法でしか償却できなくなってしまいました。

そのため、節税を特に受けたい投資直後の減価償却費が抑えられることになりました。

土地も減価償却できると嘘をつかれた

土地も減価償却できると嘘をつく営業マンが一定数います。

営業マンが不動産投資の節税効果を説明する際、必ず減価償却の説明もします。

その際、不動産(建物+土地)取得費用の借入金を全額経費として減価償却できると嘘の説明をします。
実際には、減価償却できるのは建物部分だけになり、不動産取得費用のうちの建物部分にあたる6〜7割程度です。

購入してすぐ海外転勤になった

海外に一年以上滞在すると法律上の非居住者になります。

非居住者が、家賃収入を得る場合、20.42%の源泉徴収税がかかります。

この源泉徴収税は、確定申告で精算できます。ですが、不動産ローンの返済もある中で毎月の手取り家賃収入が8割になってしまうのは、そもそも節税どころではない痛手です。

投資用マンションは住宅ローン控除を受けられないと知らなかった

住宅ローン控除を受けられると思っている人もいますが、それはできません。

住宅ローン控除とは、住宅ローンの返済残高の一定の割合が所得税から控除されることです。利用条件は、自宅用のローンのみのため、不動産投資には利用できません。

節税を目的に不動産投資しないほうがいい人

節税目的で不動産投資をするなら、課税所得が900万円未満の人には、おすすめできません。

その理由は、税率がほとんど下がらないからです。

課税所得が700万円の人が不動産投資をした場合、所得税は下のようになります。

課税所得 税率 控除額 計算式 所得税
700万円 23% 63万6,000円 700万円×23%-63万6,000円 97万4,000円

ここから課税所得が、損益通算で600万円になったとします。

すると、かかる税率20%に下がります。

課税所得 税率 控除額 計算式 所得税
600万円 20% 42万7,500円 600万円×20%-42万7,500円 77万2,500円

課税所得が900万円の人は、損益通算で税率を33%から23%に下げられたのに対して、
課税所得が700万円の人は、税率は23%から20%までしか下げられません。

そのため、実際には節税できていても、その効果をあまり実感できません。

課税所得が900万円未満の人が、不動産投資をする場合は、単純に不動産収益を作ることを目指しましょう。

また、木造中古アパートはへの投資は、減価償却期間の関係で節税に有利です。
ですが、そもそもの投資として扱うことの難易度が高いので、節税目的でない場合はおすすめしません。

不動産投資のメリットと注意点

不動産投資のメリットは節税の他にも、資産形成・収入の幅が増えるなどメリットも多い一方で注意点も多いです。

物件選び・業者選び・税務処理・物件管理・各種リスク管理など注意点も多くあります。

収益目的での不動産投資を成功させるポイント

  • 事業を行う覚悟で始める
  • 市場調査や収支計画を徹底する
  • 信頼できる不動産会社を選ぶ

事業を行う覚悟で始める

不動産投資は、サラリーマンの方が副収入目的でやる方がほとんどです。これは非常に勿体無いことです。

せっかく不動産投資ができる環境にいるのですから、経済的自由を目指し、一つの事業という意識で取り組むことをおすすめします。

市場調査や収支計画を徹底する

市場調査については、レインズマーケットインフォメーションや不動産のポータルサイトを利用します。売り出し中の投資用不動産の値段の上下で、市場価値を見ることができます。

収支計画を作成することで、予期せぬ出費に対応する資金準備や不動産を買い足すための準備ができます。

信頼できる不動産会社を選ぶ

不動産投資は、動く金額が大きいので悪徳業者・自己の利益のみを考える業者も多く存在します。初めて不動産投資を検討している人は、そのような業者に騙されないことが重要です。

他にも営業マンの人柄は良いけど、物件取得能力や賃貸管理能力がない業者にも要注意です。ついつい信用してしまいそうですが、絶対に選んではいけません。

信頼できる不動産会社とは、まずは実績があることです。次に担当営業マンと信頼関係が築けるかがポイントです。

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コラム監修

コラム監修

伊藤幸弘

資格

宅地建物取引主任者・賃貸不動産経営管理士・FP技能士・公認 不動産コンサルティングマスター・投資不動産取引士・競売不動産取扱主任者・日本不動産仲裁機構ADR調停人

書籍

『投資ワンルームマンションをはじめて売却する方に必ず読んでほしい成功法則』


『マンション投資IQアップの法則 ~なんとなく投資用マンションを所有している君へ~』

プロフィール

2002年から中古投資マンションを専門に取引を行う。
2014年より株式会社TOCHU(とうちゅう)を設立し現在にいたる。

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