不動産投資
アパートを売りたい!売却時の税金や必要な手続きの流れ、よい不動産会社の見極め方を解説
所有しているアパートを売りたい場合に悩みの種となるのが、税金の負担や複雑な手続き、不動産会社選びです。売却手続きをスムーズに進めるためには、事前に具体的な流れや税金の種類、不動産会社選びのポイントを知る必要があります。本記事で、必要な手続きや売却時のポイントを理解しましょう。
目次
アパートを売りたいときに検討すべき4つのポイント/h2>
アパートを売りたいときにまず検討すべきポイントは、以下の4つです。
- アパートの築年数が20年以内か
- 所有してから5年以上経過しているか
- アパートの稼働状況がよいか
- 周辺環境の利便性に将来性があるか
1. アパートの築年数が20年以内か
アパートの売り時は、築年数20年以内だといわれています。
築年数が20年以内のアパートは、建物の価値がまだ残っているとみなされ、売却価格が高く設定される傾向があるためです。築20年を超えると、外壁や設備の老朽化が進んで修繕が必要となることが多く、その結果として資産価値が下がる可能性があります。
また帳簿上、アパートの購入費用は減価償却で毎年計上できますが、木造アパートの場合、耐用年数である22年を超えると計上可能額が大幅に減少します。建物の減価償却による税負担軽減が見込める間に物件を売却し、その資金で新しい不動産を購入するのも効果的な節税対策です。
2. 所有してから5年以上経過しているか
アパートを売る際は、所有してから5年以上経過しているかも確認しましょう。売却時期が所有から5年以内か、5年を超えているかで税率が変わるためです。
短期譲渡所得に該当する所有期間5年以下の場合、譲渡所得税の税率は約40%と高めに設定されています。一方、5年を超えていると売却価格にかかる譲渡所得税が長期譲渡所得に該当するため、税率が約20%まで軽減されます。
なお、「所有してから5年以上」と判断されるのは、売却する年の1月1日時点で5年を超えている場合です。売るべきタイミングはアパートの劣化状況によって変わるため、ひとつの指標として参考にしてみてください。
※参考:国税庁「土地や建物を売ったとき」
3. アパートの稼働状況がよいか
稼働状況がよいアパートは、高値で売れる可能性があります。入居率が高く、安定した収益を生み出しているアパートは、購入したい人にとって魅力的な物件と見なされるためです。
稼働状況の良し悪しは売却の成否を大きく左右するため、売却前にしっかりと確認し、改善が必要であれば何か対策を講じましょう。
4. 周辺環境の利便性に将来性があるか
アパートの周辺環境が利便性に優れ、将来的な発展が見込まれるかどうかもポイントです。
たとえば、駅までのアクセスが近く、商業施設や学校、病院などの生活インフラが充実しているアパートは、賃貸需要が高い傾向にあります。現時点で生活インフラが整っていなくても、近いうちに再開発計画や大型商業施設などの建設予定がある場合は、高値で売却できる可能性があります。
アパートを売る際の具体的な流れ
アパートを売る際は、以下の流れで進めていきます。
- 【流れ1】不動産会社に売却査定の依頼をする
- 【流れ2】不動産会社と媒介契約を結ぶ
- 【流れ3】売却したいアパートの売り出しを行う
- 【流れ4】売却先が決定したら売買契約を結ぶ
- 【流れ5】確定申告をする
まずは不動産会社に査定を依頼し、アパートの市場価値を把握します。この際、物件の所在地や稼働状況、築年数などが評価に影響するため、必要な情報を正確に伝えましょう。
査定結果が満足いく金額であれば、不動産会社と媒介契約を結びます。その後、不動産会社が広告を出し、購入希望者を募ります。購入希望者が現れたら価格や条件の交渉を行い、合意に至れば売買契約を結んで引き渡しに移る流れです。
必要な手続きを終えた後、最後にアパート売却に伴う譲渡所得税の申告を確定申告で行います。確定申告で必要な手続きは、国税庁のホームページでご確認ください。
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アパートを売る際にかかる税金・費用
アパートを売る際にかかる主な税金や費用は、以下の表の通りです。
項目 | 概要 | 目安金額 |
---|---|---|
譲渡所得税 | アパートの売却で発生した利益にかかる税金 | 所有期間に応じて税率が異なる
|
印紙税 | 売買契約書に貼る印紙代にかかる税金 | アパートの契約金額によって異なる
(令和9年3月31日までに締結された契約書には軽減税率が適用される) |
登録免許税 | 抵当権抹消登記や所有権移転登記の際にかかる税金 | 抵当権抹消登記の場合:不動産1個につき1,000円
登記内容によって税率が異なる |
仲介手数料 | 不動産会社に支払う仲介業務の手数料
※売却価格に応じて上限が決められている |
|
その他費用 | 測量費用や司法書士への依頼料など、個別の事情に応じて発生する費用 | アパートの価値や状況によって異なる
課税事業者の場合、建物部分の消費税の納付を求められる |
このように、アパートを売るにあたってかかる税金や費用は多いです。予想外の出費に頭を悩ませないよう、事前に国税庁のホームページなどで確認しておきましょう。
信頼できる不動産会社を選ぶためのポイント
アパートの売却を適正価格かつスムーズに進めるには、信頼できる不動産会社を選ぶことが欠かせません。不動産会社選びで見るべきポイントは、以下の通りです。
- アパート売却の実績があるか
- 契約内容が分かりやすく説明してくれるか
- アパートが位置するエリアの売却情報に詳しいか
- 売り出し方法が豊富か
1. アパート売却の実績があるか
不動産会社を選ぶ際には、アパート売却の実績がどれだけあるかが重要です。実績が多い会社は市場の動向や買手のニーズを理解しているため、売却への不安や悩みなどの相談にも積極的に乗ってくれるでしょう。
ホームページなどで実績をチェックし、ご自分の希望に合った不動産会社を選びましょう。
2. 契約内容が分かりやすく説明してくれるか
契約内容を分かりやすく説明してくれるかも大事なポイントです。
特に、査定価格の理由を丁寧に説明してくれるかどうかを確認しましょう。たとえば、過去の取引例や市場の状況、アパートの状態がどう査定価格に影響しているのかを具体的に説明できる会社は信頼度が高いでしょう。
査定価格の説明があいまいで、高額査定ばかりを強調する場合は注意が必要です。
3. アパートが位置するエリアの売却情報に詳しいか
アパートを売却する際は、そのエリアの売却情報に詳しい不動産会社を選ぶとよいでしょう。よい買手を見つけるには、地域のニーズを熟知している必要があるためです。
エリアから離れている不動産会社の場合、地域の需要や買手のニーズを理解できていない可能性があります。どのエリアに精通しているかを、ホームページなどで確認しておきましょう。
4. 売り出し方法が豊富か
不動産会社がどのような売り出し方で買手を見つけているのかをチェックするのも大切です。広告やSNS、ポータルサイトでの募集など、どれだけ多様な手段で買手にアプローチできるかが売却の成否を左右します。
特にインターネット広告を行っている会社は、広範囲に買手を探しており、物件の魅力を効果的に伝えてくれる可能性が高いです。ポータルサイトなどで、情報や写真の充実度などを確認してみましょう。
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