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不動産所得の白色申告を徹底解説!メリットや必要書類、向いている人を理解しよう

白色確定申告

不動産所得を得た場合、確定申告が必要ですが「白色申告と青色申告、どちらを選ぶべきか?」と迷う方も多いのではないでしょうか。青色申告は節税効果が大きいですが、初めての申告や収益が小規模な場合、白色申告が適しているケースがあります。

不動産所得における白色申告のメリットやデメリット、適している人、青色申告との違いを解説します。

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不動産所得が年間20万円超えている人は確定申告が必要

不動産所得を得た人の中には「そもそも確定申告をする必要があるのか?」と迷っている方もいるのではないでしょうか。

結論からお伝えすると、不動産所得が年間20万円を超える場合、確定申告は必須です。所得とは、家賃収入から修繕費や管理費などの必要経費を差し引いた金額を指します。たとえば、年間の家賃収入が100万円で必要経費が40万円の場合、不動産所得は60万円となり、この場合は確定申告が必要です。

参考:国税庁「確定申告が必要な方

一方で、不動産所得が年間20万円以下の方は、確定申告をする必要はありません。しかし、不動産投資で赤字が発生している場合は、損益通算によって税負担を抑えられる可能性があります。損益通算とは、赤字分を給与所得などのほかの所得から差し引ける制度です。

参考:国税庁「No.2250 損益通算

このように、申告で節税につながる場合もあるため、不動産所得が少額でも、状況に応じて申告するかどうかを検討しましょう。

不動産所得で経費になるものとは?

不動産所得は、収入から必要経費を差し引いた金額を指します。本来計上できない費用を経費に入れないよう、事前にどういうものが経費になるのかを確認しておきましょう。

以下は、経費として認められる主な項目です。

  • 租税公課(固定資産税・登録免許税・不動産取得税など)
  • 管理費・修繕費
  • 減価償却費(建物の購入費用)
  • 物件購入に伴うローンの利息
  • 物件にかかる保険料
  • 入居者を集めるための広告費
  • 不動産会社や管理会社への委託料・仲介手数料

このように、経費にできるのは「所有している不動産に関する税金や費用」です。個人の所得税や住民税、プライベートで購入した洋服などは経費に計上できないため注意しましょう。

経費として認められるかどうかは用途や内容によって異なるため、不明な点は専門家に相談することをおすすめします。

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不動産所得は白色申告or青色申告のいずれかで申告する

不動産所得が年間20万円を超える場合、確定申告は白色申告か青色申告のいずれかで行います。それぞれがどのような申告方法なのか、どのように異なるのか見ていきましょう。

不動産所得の白色申告とは?

白色申告とは、青色申告を選択していない事業主や会社員が行う確定申告です。白色申告は手続きが簡単で、複雑な帳簿付けや事前申請が不要なため、初めて申告を行う方や不動産収入が少ない方に適しています。

記帳義務はありますが、青色申告で行う複式簿記ではなく単式簿記での記帳が認められています。単式簿記のメリットは、簿記に関する知識がなくても簡単に記帳できる点です。

不動産所得の青色申告とは?

青色申告とは、事前に税務署へ申請を行うことで利用できる確定申告です。

原則として単式簿記でなく複式簿記による記帳が必要で、白色申告よりも用意しなければならない書類が増えます。複式簿記とは、すべての取引を「借方」と「貸方」の2つの項目から記録する方法です。

白色申告より記帳や手続きに手間がかかりますが、青色申告にしかない税金の特典を受けられるのがメリットです。たとえば、一定の要件を満たせば最大65万円の青色申告特別控除を受けられるほか、不動産所得が赤字の場合に損失を3年間繰り越せる制度も利用できます。

不動産収入が高額な場合や、長期的な不動産運用を考えている人に適した申告方法です。

参考:国税庁「No.2070 青色申告制度

白色申告と青色申告の違い

白色申告と青色申告の違いは、手続きの複雑さや節税特典にあります。

白色申告は単式簿記で、収入と支出さえ分かれば簡単に記帳できます。しかし、青色申告にある税金特別控除や損失繰越などの特典がありません。記帳に時間をかけられない方や、不動産投資で一定の収入がまだ得られていない方に向いています。

一方、青色申告は申請や記帳に手間がかかる分、最大65万円の特別控除や赤字を3年間繰り越せる損失繰越制度といった税の特典を受けられます。また青色申告でも単式簿記を選択すれば、10万円の控除を受けることが可能です。収入や運用計画に応じて適切な方法を選びましょう。

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不動産所得の確定申告を白色申告で行うメリット

不動産所得の白色申告のメリットは、以下の2つです。

  • 単式簿記で記帳方法が簡単
  • 手続きをしなくても申告できる

単式簿記とは、収入や支出をそのまま記録するシンプルな記帳方法です。銀行の出入金記録に近い形式で、発生した取引を一行ずつ順番に記録していきます。取引ごとの収入や経費、金額、日付、取引内容を記載するだけでよいため、簿記の知識がなくても帳簿付けが完了します。

また手続きなしで申告できる点もメリットです。青色申告は、事前に開業届と青色申告承認申請書を出す必要があります。開業届は事業を開始した日から1カ月以内、青色申告承認証明書は、青色申告を行う年の3月15日まで(1月16日以降に開業した場合は、その日から2カ月以内)に提出しなければなりません。白色申告はこのような事前手続きが不要なため、忙しくて帳簿を付ける時間が取れない方に適しています。

参考:国税庁「A1-5 個人事業の開業届出・廃業届出等手続

参考:国税庁「A1-8 所得税の青色申告承認申請手続

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不動産所得の確定申告を白色申告で行うデメリット

白色申告は比較的簡単にできますが、以下のデメリットも考慮する必要があります。

  • 最大65万円の青色申告特別控除を受けられない
  • 家族への給与を経費として計上できない
  • 30万円までの資産を経費に一括計上できない
  • 赤字の3年繰越制度が使えない

まず挙げられるのは、税金の控除を得られないことです。青色申告の場合、65万円までの控除が受けられるため、税負担を軽減できます。節税目的で不動産を所有している方、または購入を検討している方はメリットを感じられないこともあるでしょう。

次に、白色申告では家族に支払った給与は経費として認められません。一方、青色申告では青色事業専従者給与として経費計上が可能です。

さらに、中小企業者が30万円までの資産を購入した場合、青色申告なら一括で経費に計上できますが、白色申告ではこの制度を適用できません。課税所得は、収入から経費を差し引いた金額で計算されるため、一括計上できないと税負担が十分に軽減できないケースもあります。

そして、一時的な赤字が発生しても翌年度以降に繰り越せないのもデメリットです。白色申告で赤字が続いた場合、税金が高くなる可能性があります。

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不動産所得が事業規模でない方は白色申告で十分

不動産所得が事業規模でない場合、白色申告で十分なケースがあります。青色申告をして最大65万円の特別控除を受けるには、行っている不動産貸付が事業規模に達しているかで決まるためです。

事業規模かどうかの判断基準は以下の通りです。

  • アパート・マンションの場合:貸し出せる独立した部屋の数が10部屋以上ある
  • 戸建て住宅の場合:一棟ごとに貸し出している住宅が5棟以上ある

参考:国税庁「No.1373 事業としての不動産貸付けとそれ以外の不動産貸付けとの区分

これらの基準に該当しない規模の不動産業は事業規模と見なされないため、65万円ではなく10万円の控除になります。

収入の規模に応じて控除額が異なる点や、記帳や手続きの手間を考慮すると、白色申告が適している場合もあります。ご自分の事業規模を踏まえ、どちらを選ぶか判断しましょう。

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コラム監修

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伊藤幸弘  

資格

宅地建物取引主任者・賃貸不動産経営管理士・FP技能士・公認 不動産コンサルティングマスター・投資不動産取引士・競売不動産取扱主任者・日本不動産仲裁機構ADR調停人

書籍

『投資ワンルームマンションをはじめて売却する方に必ず読んでほしい成功法則』


『マンション投資IQアップの法則 ~なんとなく投資用マンションを所有している君へ~』

プロフィール

2002年から中古投資マンションを専門に取引を行う。
2014年より株式会社TOCHU(とうちゅう)を設立し現在にいたる。

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