
投資マンションローン
不動産投資ローンの融資の流れとは?審査で落ちないためのポイントも解説
不動産投資で成功するためには、融資をスムーズに受けられるかどうかが重要になります。
しかし、不動産投資ローンの融資審査は住宅ローンよりも厳しいため、事前に審査の流れやポイントを知っておくことが重要です。
ローンの融資を受けられるように、審査に落ちないためのコツや金融機関ごとの特徴を踏まえて分かりやすく解説します。
目次
不動産投資における融資とは
はじめに、不動産投資における融資の基本情報や、不動産投資の融資を受けられる金融機関について解説します。
不動産投資における融資とは何か
不動産投資における融資とは、投資用不動産の購入に際して利用できる融資制度です。
一般的には「不動産投資ローン」と呼ばれています。
不動産投資ローンと住宅ローンの違い
不動産投資ローンと住宅ローンの主な違いは3つあります。
1つ目はローンの目的です。不動産投資ローンは文字通り投資用不動産の購入に際して利用できます。
住宅ローンは居住用不動産の購入を目的としたローンであり、投資用不動産の購入時には利用できません。
2つ目は金利水準です。不動産投資ローンと住宅ローンを比べると、不動産投資ローンの方が金利は高い傾向にあります。
また同じ金融機関でも、不動産投資ローンと住宅ローンでは金利に1%以上の差があるケースも見られます。
3つ目は審査で重視する要素です。不動産投資では購入する投資用不動産の評価額や収益性が重視されます。
一方、住宅ローンは申込者の年収、勤務先、勤続年数、信用情報などが重視される傾向です。
不動産投資の融資を受けられる金融機関
不動産投資の融資を受けられる金融機関の種類別に、不動産投資ローンの特徴をご紹介します。
金融機関の種類 | 特徴 |
---|---|
都市銀行 (メガバンク) |
金利は1%前後で低めだが審査が厳しい |
地方銀行 | 金利は1.5〜4.5%と幅があり、不動産投資に積極的な銀行ほど金利が低めの傾向。都市銀行に比べて審査基準が緩い |
信用金庫・信用組合 | 金利は2.5%前後で審査基準は緩め。対応エリアや対象者が限定的 |
ネット銀行 | 金利相場は1.5〜4.0%と幅がある。地方銀行に似た傾向で、審査基準は緩め |
銀行以外の金融機関 (ノンバンク) |
金利相場は3.0〜5.0%と高め。審査基準は最も緩いと考えられる。柔軟な対応が可能なケースも多い |
日本政策金融公庫 | 金利は低め。個人であっても、不動産賃貸業として事業性が認められる場合は利用可能。 |
一般的に金利が低い金融機関ほど審査が厳しい傾向です。
また、日本政策金融公庫は資産運用を目的とした不動産投資は対象外となるため、利用する際は条件をしっかり確認しましょう。
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不動産投資の融資審査で落ちないためのポイント
不動産投資の融資審査に落ちる可能性を下げるために、押さえておきたいポイントを6つご紹介します。
不動産投資の融資で見られる項目を知る
最も大切なのが、不動産投資の融資審査でチェックされる要素について事前に確認することです。
前提として、金融機関は審査基準の明言はしていません。そのため、実際に審査で何がチェックされているか断言ができないのです。
ただし、融資申し込みの必要書類や融資の性質などから、ローン審査で重視される項目の予想は可能です。
不動産投資の融資審査で重視されている項目として、以下の例が挙げられます。
- 申込者の年収、勤務先、勤続年数などの属性や信用情報
- 他社からの借入状況
- 購入する投資用不動産の収益性(立地、築年数、構造、間取り、賃料など)
- 物件の担保としての価値(評価額)
不動産投資ローンならではの項目が3と4です。申込者が高年収かつ信用情報にキズがない状態でも、投資物件の収益性や担保評価が低いと判断されれば審査に落ちる可能性があります。
上記4つの項目に不安がある場合、審査基準が緩いと考えられる金融機関を選ぶのが良いでしょう。
自己資金を十分に用意する
自己資金を十分に用意することも大切です。自己資金が多いほど急な支出の発生や空室リスクなどに耐えやすくなるため、金融機関からの高評価につながります。
また、頭金が少ないほど借入希望額が増えるため審査が厳しくなり、審査に落ちてしまう可能性が高くなります。
頭金の目安は購入価格の1〜3割程度といわれていますが、できるだけ多く用意するのが理想です。
融資を受けやすい物件を探す
「不動産投資の融資で見られる項目を知る」で紹介したように、不動産投資における融資では投資用不動産自体も重視されます。
そのため審査に通る可能性を高めるには、融資を受けやすい物件を選ぶことが大切です。
融資を受けやすい物件として以下の例が挙げられます。
- 築年数が浅い(耐用年数が十分に残っている)
※法定耐用年数が残っていない物件は担保としての価値が下がるため、審査でマイナスになりやすいからです - 駅から近い、利便性が良い、交通インフラが整備されているなど、収益性が期待できる
- 自然災害の影響を受けにくい
- 管理体制が整っておりメンテナンスが行き届いている
なお、どれか1つの要素をもっていても、別のマイナス要素がある場合は高評価を得にくいでしょう。
不動産の収益性や資産性は、複数の要素から総合的に判断されます。
複数の金融機関でローンを借入れない
不動産投資の融資審査で落ちる可能性を下げるため、複数の金融機関でローンを借入れないようにしましょう。
融資審査では申込者の借入状況もチェックされます。
すでに複数のローンを契約している場合や借入残高が多い場合、返済負担が重すぎると判断されて審査に落ちてしまう可能性が高いのです。
また、ローンの申し込み状況は信用情報として記録されます。契約まで至らなくても、同時に複数ローンに申し込んだ履歴があるだけで、マイナス評価につながる恐れがあります。
不動産投資の融資は借入額が高額になりやすい分、審査が厳しい傾向です。ほかの借入が審査の合否に大きな影響を与える可能性もあるため、複数の金融機関でローンを借り入れるのは避けたほうが無難です。
不動産会社に金融機関を紹介してもらう
金融機関と提携している不動産会社に相談し、金融機関を紹介してもらうのもおすすめです。
不動産会社に紹介してもらうメリットとして以下の3つが挙げられます。
- 不動産投資に特化した金融機関やローンを紹介してもらえる
- 最新の融資情報を教えてもらえる
- 提携の金融機関であれば、審査や融資条件で優遇してもらえる可能性もある
一口に不動産投資の融資といっても選択肢が多く、知識のない人が最適な選択肢を選ぶのは困難です。
自身ですべて対応しようとせず、不動産投資の知識やノウハウが豊富な不動産会社に相談しましょう。
不動産投資の融資を受けるときの流れ
不動産投資の融資を受けるまでの流れは大きく6つの工程に分けられます。それぞれの工程について詳しく解説します。
融資申請の準備
まずは融資申請の準備が必要です。準備段階で行うべき作業として以下の例が挙げられます。
- 購入する物件の選定、買付証明書の提出
- 申し込む金融機関の検討
- 事前審査に必要な書類の準備
事前審査に申し込んでから準備を進めると時間が足りなくなる恐れがあるため、必要書類はある程度用意しておくと安心です。
事前審査の申し込み
事前審査とは、本審査に通過できる可能性があるかを確認するための審査です。
不動産を購入したのに融資審査に落ちてしまうというリスクを下げるため、不動産売買の前に事前審査を受ける必要があります。
事前審査で必要となる書類の一例をご紹介します。
- 物件概要書
- 不動産の登記簿謄本
- 不動産投資の事業計画書
- レントロール
- 公図、用途地域図
- 建築図面等物件の資料
- 本人確認書類
- 実印および印鑑証明書
- 所得を証明する書類
- 勤務先の概要および職務経歴書
- 直近3年分の納税証明書
- 資産状況を証明する書類
どの書類が必要かは金融機関によって異なるため、必ず担当者にご確認ください。
不動産の売買契約
不動産の売買契約は事前審査に通過してから行います。なお、事前審査に通過したからといって、本審査に必ず通過できるわけではありません。
そのため売買契約を締結する前に、融資審査に落ちてしまった場合は契約解除ができるのかを確認しましょう。
本審査の申し込み
不動産の売買契約締結後に本審査の申し込みをします。本審査では借入申込書や不動産の売買契約書などが必要です。
本審査は事前審査よりもさらに厳しくチェックされます。本審査へ申し込んでから審査結果がわかるまでの目安は2週間〜4週間程度です。
ローン契約
本審査に通過したら、ローン契約の手続きに入ります。融資限度額、返済額、金利などの細かな説明が行われます。
疑問点や不明点があれば、契約する前に必ず担当者に確認しましょう。
融資の実行
契約締結後、物件の引き渡し日を迎えるタイミングで融資実行となります。以降は融資契約の内容通りに返済を進めていきます。

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