投資マンション売却の必要書類について。売主が契約で用意する書類を解説 | TOCHU|投資マンション売却のプロフェッショナル

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投資マンション売却

投資マンション売却の必要書類について。
売主が契約で用意する書類を解説

売主に必要書類を説明する営業パーソン

不動産の売却は、多くの方にとって、なかなか経験することがなく、一生のうちに、一度あるかないかです。

初めての方が多くなりますので、今回は、売買契約と引き渡し時の準備資料や、注意点について、説明をいたします。

資料が整わないと物件の引き渡しができず、相手方に多大な迷惑をかけるので注意しましょう。

投資マンション売却の契約と引き渡しの必要書類

投資マンション売却の必要書類につ

「権利証」又は「登記識別情報」

投資マンションの引き渡し当日に、この書類がないと所有権の移転登記ができません。

売主様の中には、「権利証」がどの書類のことなのかをよく分からず、なかには、間違って「謄本」などを持参される方がいらっしゃいます。

引き渡し時に慌てないように、事前時に「権利証」の内容が問題ないか、不動産会社の担当者に確認をしましょう。

紛失されている場合には、権利書の代わりとなる書類の作成を、司法書士と打ち合わせをして進めなければなりません。

具体的には、司法書士との面談による証明書や、公証人の証明制度、法務局による事前通制度などを利用します。

余計な立ち合いの手間と費用が発生しますので、確認をしておいてください。

登記識別情報(権利書)の取り扱いでよくある落とし穴

伊藤幸弘(株)TOCHU
代表取締役
伊藤幸弘

権利書には通知の番号が隠れるようにシールが貼ってあるんですよ。これを司法書士が登記の時に剥がして、その番号を使って所有権の移転をするんです。ところが、よかれと思ってオーナーが先に剥がしてしまうことがあるんです。

シールを剥がして見せちゃうと、司法書士が困っちゃうんです。「シールが剥がれてるってことは、以前売ろうとしたんですか?」とか、「この番号が見えちゃってるってことは、ちゃんと権利移転できるかな」って不安になるわけです。そうなると、本人確認がより厳密になります。

書類にも「売る時以外はこのシール剥がさないでくださいね」って書いてあるんですけど、読まないオーナーが多いんです。結果的に余計な手間と時間がかかってしまいます。

実印と印鑑証明書

売買契約書に押印する印鑑は認印で問題ありません。

しかし、登記申請に使用する委任状等の書類には実印を用いる必要があります。

過去の取引で、実印と思っていた印鑑が登録しているものと違っていたり、印鑑に傷や欠けがあり使用できないケースもありました。

引き渡しの時に、慌てないよう事前に確認をしてください。

印鑑証明書は登記申請時に取得から3ヵ月以内のものが必要になりますので、期限にも注意が必要です。

また、ローンの一括返済を行う方は、金融機関から提出を求められることがありますので、

印鑑証明書は合計2通取得しておきましょう。

本人確認資料

運転免許証、パスポート、健康保険証などです。

司法書士と金融機関が、本人の特定するために必要になります。

また、犯罪収益移転防止法のために写しの保管が必要になっています。

賃貸契約書、入居者情報

オーナーチェンジのため現在の契約期間、賃料、敷金等の記載がある書面が必要です。

賃貸契約書は最新のものが必要になります。

更新が続いている場合も、賃料等が変更になっていないことを証明しなければなりません。

仮に書類の取り交わしがない場合には、家賃の入金履歴が分かる銀行通帳のコピーなどが求められます。

入居者情報は、入居申込書とも呼ばれ、緊急連絡先や勤め先の情報が記載されているものです。

オーナチェンジで取引が終了した後に、入居者の方に通知をするために使用します。

賃貸管理会社が保管していることも多いので、管理解約の申し出とともに回収をします。

鍵、敷金

投資マンションの鍵は3本あるのが一般的です。

入居者の方、管理会社、オーナー様で1本ずつ保管をしています。

購入時から鍵を預かっていないオーナー様は、管理会社が保管していることがありますので回収します。

仮に、鍵が紛失している場合には、買主から鍵の交換や複製を、お求められることがあり、

費用は3~5万円ぐらいかかりますので、無駄な出費は押さえたいです。

また、入居者から預かっている敷金も引き渡さなければなりません。

こちらも賃貸管理会社が保管していることがあるので、回収を忘れてはいけません。

固定資産税・都市計画税の納税通知書

引き渡し時に固定資産税・都市計画税を、売主と買主で精算します。

直近の案内があった納付書の写しが必要です。

売却をしても所有権が移転した年度分は売主が納めて、買主から日割りで清算をします。

納税が終わっていな方は、必ず処理をしておいてください。

マンションの価格がわかる

プロが語る投資マンション売却時に特に必要な書類とは?

伊藤幸弘(株)TOCHU
代表取締役
伊藤幸弘

投資マンションの売却時には結構たくの書類が必要になってくるんですよ。まず一番重要なのが「登記識別情報」。昔で言う権利書ですね。これは物件を購入した時に司法書士から送られてくる書類です。

次に必要なのが印鑑証明書と実印。それから本人確認資料も必要になります。あとは賃貸借契約書ですね。これは今の入居者との契約内容を示す重要な書類です。

入居者情報と鍵、敷金の情報なども必要になってきます。固定資産税の納税通知書も忘れずに用意しておかないといけません。

それから賃貸管理会社との契約書も重要です。これがないと、管理会社との契約がどういう内容なのか、解約条件はどうなっているのかがわからなくなっちゃうんです。特に物件を15年、20年と長く持っていると、当時の契約内容が曖昧になっていることが多いんですよ。

買主は管理会社との契約を引き継ぎたくない場合もあるので、その時は解約できるかどうかの条件を確認する必要があります。

このように、投資マンションの売却には通常の不動産売買以上に多くの書類が必要になります。特に賃貸借関係の書類は重要で、これらがないと売買がスムーズに進まないことがありますから、日頃からしっかり保管しておくことをおすすめします。

紛失すると不動産業者が困る書類とは?

伊藤幸弘(株)TOCHU
代表取締役
伊藤幸弘

一番困るのが「登記識別情報」(権利書)をなくしてしまうケースですね。信じられないんですけど、結構な頻度で起こるんです。10年前、15年前に買った物件の権利書が見つからないことがよくあります。

私の経験でも、お客様の権利書を探すのに3時間も付き合わされたことがありますよ。もう家中の引き出しをひっくり返して、「絶対あるはずだ」って。仏壇の中まで探しましたからね(笑)

結局見つからない場合は、司法書士に依頼して本人確認の書類を作り直すことになります。これが10万円~15万円くらいかかります。紙1枚なくしただけでこれだけの費用がかかるんですよ。

もうひとつ困るのが「賃貸契約書」です。これもよく紛失されます。オーナーからすると、毎月家賃が入金されてローンが返済されていけば、普段見る機会が少ない書類なんですよね。でも、入居者が入れ替わる時に新しい契約書が送られてくるんですが、2年とか3年のタイミングでしか見ないから、古い契約書を持っていて、最新のものを持っていないということがあります。

賃貸契約書をなくした場合は管理会社に写しをもらうことになりますが、これが大変なんです。管理会社によっては「売買するなら関係ありません」と非協力的だったり。「倉庫にあるので探すのに数カ月かかります」なんて言われることもあります。

そうなると、入居者に直接コンタクトを取らないといけなくなるんですが、これも一苦労です。昔は、マンションの前で夜まで待ち伏せしたこともありましたよ。まるでスパイみたいですよね(笑)。パンと牛乳持って電信柱の陰から「あ、明かりがついた」なんて。それでも出てきてくれないこともありましたけどね。

投資マンションの売却価格を左右する重要書類

伊藤幸弘(株)TOCHU
代表取締役
伊藤幸弘

やっぱり賃貸契約書は価格に大きく影響しますね。これがあるとどれくらいの家賃が取れているのか、契約期間はいつまでなのか、契約内容がどうなっているのかがはっきりわかります。

あとは賃貸管理契約書も重要です。管理会社とどういう契約になっているのか、これも価格に関わってきます。

それから物件のパンフレットですね。分譲時のパンフレットとか、中古で買った時の販売図面があると、物件の詳細な情報が確認できるので、購入検討者にとって大きな判断材料になります。

情報をきちんと開示した方が、いい値段になるんですよ。よくわからない物件より、情報がしっかりしている方が買いやすいですからね。たまに「価格が決まってから情報を開示します」とか「家賃は非公開です」って言うオーナーがいるんですが、それだと購入の手を挙げる人が少なくなります。

例えば、車を買う時に走行距離や事故歴を隠されて、「値段を言ってくれたら教えます」って言われたら、怖くて買えないですよね。不動産も同じです。情報を隠したがるオーナーの物件は、結局、業者の買取りになることが多くて、その場合は市場価格より下がってしまいます。情報が不足している分、リスクを被らなければいけないからです。

だから、オーナーには全部情報を公開していただきたいと思います。ただし、入居者情報などは、ちゃんと申し込みがあってから開示するようにしています。その前の段階では、家賃がいくらで敷金がどれくらいという程度の情報開示に留めています。そうすれば、入居者に迷惑をかけることもないし、オーナーが不利になることもありません。

マンション売却時に買主に渡したい書類

必要な書類ではありませんが、買主に渡したほうが良い書類も紹介をします。スムーズに取引を終えるためには売主と買主の協力が欠かせません。売主は可能な限り保有している資料を提供します。

物件パンフレット

分譲時の物件パンフレットは、今後の賃貸管理をする上で非常に重要な情報です。入居者募集や設備トラブル、リフォームの見積もりなどに使用します。パンフレットの保管がない分譲マンションもありますので買主に喜ばれます。

付帯設備の取扱説明書

エアコン、給湯器などの専有部分の設備の取扱説明書は、室内の点検ができないオーナーチェンジの場合に重要な情報になります。修理が可能な設備なのか、製造年数やメーカーの保証期間なども確認できます。

管理組合の議事録

過去の建物管理の修繕状況を確認することができます。また、どのような経緯で管理組合が運営されているのか、新たにオーナーになった買主には有効な情報です。今後の管理費・修繕積立金が値上がりする予定があるか、トラブルがあったかなども確認できます。

引き渡し時に用意したい書類

伊藤幸弘(株)TOCHU
代表取締役
伊藤幸弘

まず、付帯設備の取扱説明書は引き渡し時にはお渡しした方がいいですね。入居者と貸主が負担する修繕費用の内訳を取り決める設備の負担表も作りますから、そこで取扱説明書も一緒に渡してあげると、次のオーナーは助かります。

それから、建物の管理会社の長期修繕計画も重要です。これが不足しがちなんですが、購入した段階である程度決まったものがあって、それが全然更新されていないケースが多いんです。20年前や30年前に作成したものしかないということもあります。

長期修繕計画を見ると、管理費や修繕積立金の値上げ予定とか、大規模修繕がいつ頃予定されているかとかがわかるんです。これは結構重要な情報なんですよ。ただ、この話は結構闇が深くて...。というのも、最初は販売しやすいように安く設定されていることが多いんです。

それから、物件に関する過去のトラブル履歴も重要です。例えば、水漏れがあったとか雨漏りがあったとか、そういう情報は事前に伝えておくべきです。契約間際になって「そういえば5年前に雨漏りがありました」なんて言うと、「なんで今まで隠してたの?」って買主は不信感を持ちます。

でも、最初から「5年前に雨漏りがあったけど、原因が特定されて修繕済みで、その後は問題ありません」と説明すれば、買主も安心して購入を検討できます。

マンション売却で保管が必要な書類

売却後に確定申告等に必要がある場合は、購入時と売却時の売買契約書や、領収書などの書類は保管をしてください。保管がないと申告ができなくなり、納税額が多くなってしまうケースもあります。引き渡し完了後には書類はすぐに処分せず、次回の確定申告までは慎重に保管をしてください。

投資マンションの引渡しの流れ

代理が全体の9割

投資マンションの引き渡しは、オーナーチェンジのために、室内の立ち合いや点検がありません。

また、副業で投資マンションを行っている方も多いので、本業が忙しく立ち会えない方が多くなります。

売主と買主の双方が立ち会うことなく、代理で取引が完了することが全体の9割です。

売主様は、事前に司法書士や不動産会社に、登記移転に必要な書類を預けて、お金が動くのを待つだけです。

着金確認後にローンの返済を完了し、抵当権の解除書類を司法書士が回収しで、法務局に登記申請をします。

立ち合いの引き渡しの場合

立ち合いで引き渡しを行う場合は、着金確認がしやすい、売主のローンのある金融機関の応接を

借りて行われることが通常です。

当日は売主の持参した資料と、記入押印して頂いた委任状等が問題ないか、司法書士が確認し、

所有権の移転が問題なくできる状態を確認したら、買主が振込をかけます。

電信扱いで振り込みを行い、着金確認ができるまでは30分~2時間かかります。

入金確認後に一括返済を行い、抵当権の解除書類を受け取ります。

代理の場合も、立ち合いの場合も、お金のやり取りが完了した後に、領収証、賃貸契約書、鍵等の授受を行い取引が終了いたします。

一つでも忘れ物があると取引を終えることができませんので、しっかり準備をしてスマートな売買が成立するように、

不動産会社と打ち合わせを事前に行っていただきたいです。

プロが語る投資マンション売却準備の効率的な進め方

伊藤幸弘(株)TOCHU
代表取締役
伊藤幸弘

人生でそんなに物件を売ることって少ないですから、まずは不動産会社に相談するところから始めるのがいいですね。

具体的な流れとしては、まず査定を出して、売却金額の目安を把握します。その後、どの不動産会社に依頼するか決める段階で、必要な書類や準備について聞くのがいいと思います。不足があれば「これがないんですけど、どうしたらいいですか?」って相談できますしね。

売却先が決まってないのに、賃貸契約書がどうのこうのと動いても、結局売れなかったら意味がないんです。ですから、ある程度話を進めながら同時並行で準備するのがおすすめです。

例えば、住民票とか印鑑証明書は、3カ月以内のものじゃないとダメなんです。すぐに用意しちゃうと、期限切れで無駄になる可能性もありますから、そこは不動産業者に委ねた方がいいですね。

書類の用意以外にも準備した方がいいこと・確認事項

伊藤幸弘(株)TOCHU
代表取締役
伊藤幸弘

先ほども紹介しましたが、物件に関する過去のクレームトラブルの履歴は、必ず確認しておいた方がいいですね。特に家賃の滞納履歴は重要です。契約間際になって「実は滞納してるんです」なんて言われても、買主は困りますよ。

例えば、今は家賃が正常に支払われていても、過去に3カ月分の滞納があって、その分がまだ回収できていないとか。そういう過去の債権は基本的に旧オーナーが回収することになるんですが、買主からすれば、入居期間中に3カ月も滞納するような入居者がいるって分かっただけで、不安になりますよね。

保証会社に連絡して回収を試みたとか、連帯保証人に連絡したけど取れなかったとか、そういう履歴があれば、必ず事前に説明しておくべきです。後になって「説明がなかった」となると、信頼関係が崩れて、最悪の場合、契約破棄になることもあります。

これは民事的な損害賠償問題にもなりかねません。賃貸収入を目的として買っているのに、賃貸の重要な情報が隠されていたとなると大変なことになります。ですから、包み隠さず全部話して、記録しているものはまとめて開示する。それが良い取引につながるんです。

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コラム監修

コラム監修

伊藤幸弘  

資格

宅地建物取引主任者・賃貸不動産経営管理士・FP技能士・公認 不動産コンサルティングマスター・投資不動産取引士・競売不動産取扱主任者・日本不動産仲裁機構ADR調停人

書籍

『投資ワンルームマンションをはじめて売却する方に必ず読んでほしい成功法則』


『マンション投資IQアップの法則 ~なんとなく投資用マンションを所有している君へ~』

プロフィール

2002年から中古投資マンションを専門に取引を行う。
2014年より株式会社TOCHU(とうちゅう)を設立し現在にいたる。

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